「外相(がいそう)整いて、内相(ないそう)自ら熟す」 

 外側(例えば服装など)から健康人らしくすれば、内側(心)もおのずと健康になる、と云う意味です。有名な言葉ですが、精神治療の場ではお薬は処方されてもなかなかこのような指導はされない。

 不安障害や神経症性うつ病(以下内因性とは異なる)など、「どうせ外出はしないのだからパジャマのままでいいや...」となりがちであります。不安やうつなど症状がある時は気も滅入ってしまい、めんどくさくなる。わかってはいるのだけど、あれこれ考えてるうちに昼になり夕方になる。そして自分のココロは落ち込むばかり。傾向としては、「やる気になってきたらキチンと服装も整えて外出しよう」、「症状が回復してきたら〇〇しよう!」など心が整えば動き出そう、このような傾向があります。そうではくて、逆なんですね。
 回復途上の心は、外から内に働きます。これは一般の人たちにも云えます。たとえば、スーツにネクタイ、女性であればお化粧やスーツ、御着物を着ればおのずと心もピシッとするものです。不安障害やうつの人も同じです。

 まずは、嫌々でも朝早めに起床して身だしなみを整えてみましょう。外相を整えることで心も動きだし、気が付けば周りの生活環境も自然に動き出します。これを繰り返し繰り返し、継続的に粘ってやっていくことです。まれに、一日や二日これらをやってみた人が、「全然変わらないよ~」と言う人がいますが、手品ではないのですから短時間で結果がでるようなものではありません。

 さて、本題ですが心の病の人たちの傾向として、前述のようにすぐに結果を求める人が多い。
これは、完全欲が強く、取越し苦労が多く、小心なゆえ、おのずと心の疾患に陥りやすいと私は感じます。もっと細かく申せば、毎日が爽快に目覚めて、毎日明るく楽しく暮さなければならない、と云いう所謂「〇〇でなければならない」主義であります。
 したがって、この〇〇で無くなってしまうと、たちまち心が崩れ始める。すると今度は身体にもその影響が発現してくる。不眠や動悸、交感神経の活発化など様々です。考えても見れば、我々でも爽快に目覚めることは一年を通してみてもそう何日もあるわけではない。毎日、「あ~だるい、いやだな~」と思いながら、一日の必要ごとを成していくのが普通であります。

 しかし、神経症領域の人たちはこだわる。ひどい場合は、こうなったのは親の育て方が悪いのだ、と発言する当事者もいます。このような完全主義(0か100か、赤か白かなど)、〇〇であるべきと云う「べき主義」は親の育て方がどうのと云う問題ではない。むしろここで立ち止まってごちゃごちゃと考えているそのものが問題なのであります。
 お薬治療も必要ですが、精神療法(心理教育)を通じてみずからが何故ゆえこの疾患に陥っているのか、心のからくりを知りわけること、この時間こそが強化された心を作り人間的にもますます大きく育っていくと私は強く感じるのであります。





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# by mental-online99 | 2014-01-26 11:53 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)
その道に入らんと思ふ心こそ 我が身ながらの師匠なりけれ

 利休百首の冒頭に、この歌が出てきます。千利休が茶道全般を学ぶ者の心構えを、まず教えているのであります。

 何事でも、その道に入り、その道を学ばんとするには、まず志を立てねばならない。志を立てずに、その道に入るのは、目的なしに道を歩き、目的なしに旅を続けるようなものである。よく見る光景ですが自分の子供にも習わしておこうとお子様が、お茶を好きであろうが、なかろうが、関係なしに、稽古に通わせている親御様もおられます。

 芸道は、自ら進んで習うようでなければ、上達しないものである。自発的に、習ってみようという気持ちがあれば、それはその人自身の心に、もうすでに立派な師匠ができているのである。これは茶道だけではない。学問にしても、他の芸道にしても、病気治療や回復、その道に入るに当たり、よくよく味わうべき言葉であります。 但し、この言葉は本ブログにおき治療意欲を大きくもった不安障害のみに適用することを申し添えておきます。

 以上をふまえ、心新たに今日はこの「不安障害(不安神経症)」における不安症状について記述しておきます。

 不安神経症やパニック障害、対人恐怖症(社会不安障害)などさまざまな神経症があります。
性格的共通点としては、「神経質傾向」、「完璧主義」、「生存欲」が強いのが一般的です。その強さがゆえ、心の裏側には、強さに比例して「不安症状」が当然存在します。神経質傾向のひとたちは、向上心が強く、勉強家で出世意欲もおおせいな人が多い。事実、不安症状を根治された人たちの多くは、出世し大企業の幹部や、自身の症状経験を生かし医師になった人たちも多くおられます。
 
 不安症状をもった人たちは少しの精神及び身体症状にも敏感で、人よりも病気を気にする傾向が強い。気にすることがここで終わればいいのですが、身体症状や精神的症状に「とらわれ」てしまうと朝から晩までこれらの変化をチェックすることになります。つまり、あえて表現するなら、自らにアンテナを張りつねに自己測定をするような状況です。
  
 たとえば、神経質な生存欲が強い人がいたとしましょう。
その人は死にたくない、病気にはなりたくない、もっと偉くなりたい!などの欲望が山のようにあります。しかし、その人を冷静に観察してみると、欲求の強さ=不安感の強さ、になるのがうかがい知れます。欲求心の裏側には、比例対等した不安の存在がみてとれます。

 私は上記で「神経質な」、と記しました。
これが重要なポイントなのです。普通の人たちであれば、不快な身体症状があったとしても、「まあこんなこともあるさ..」、で通り過ぎるところを、「神経質」な人はここで立ち止まって、「この身体症状は命にかかわることではないか?、なんだこれは?」と大変な取越し苦労をすることになります。つまり、不安と闘ってしますのです。闘うとますます心がこんがらがってくる。

 本来、これら不安があるから私たちは適度な動きや考えをもって生活をしています。
しかしながら、ひとたび不安症状を体験した人たちは、不安を病的にあつかうようになる。不安が発現してはその不安と闘い、闘いの繰り返しに陥ります。

 「けろけつ」、という言葉があります。これは、ロバ(驢馬)をつないでおく杭のこと。
たとえば、ロバが自由を求め逃げようとすると、そのロバは繋がれたひもで杭にからまれ益々自由を失い、失うどころか身動きさえとれなくなってしまう、という禅語です。
 不安と闘うココロも同じことです。不安症状にとらわれ、ここで葛藤することにより益々ココロがこんがらがってきます。

 ではこの不安と闘うのをやめればいいのか?、と云うことになるのですが、一度不安症状と闘ってしまった心はどう抗っても内発的に不安と闘ってしまいます。不安症状を克服すること、これすなわち不安に反対しない心をどうやって発現させるのか、と云うことです。これはなにも、ずぼらな、のんびりした、無神経な人間になることとは違います。自由に不安で、自由に気をくばる人間になるということです。

 私はこれら不安症状の克服(全治)は、つきつめるところ「不安症状を起こしている心のからくりを、行動的に知る」、これこそ全治の早道と考えています。不安症状をもっている人の中には、歩行困難な人もいるくらい強い不安症状をかかえている人たちもいます。私は、このようなまるで寝たきりのような人たちを大勢みてまいりました。家から一歩も出れない人、泣きながら症状と闘っている人、頻繁に救急車を呼ばなくてはならないような発作症状のある人、、、不安症状も百人百色です。

 しかし、必ず治る。
これだけは、自信をもって申し上げておきたいと思います。「治る」と云うよりも「解決する」と表現するほうが適切なのかもしれませんね。不安やうつ症状をもった人たちは自身を過小評価している場合が多いのは現場経験からよく理解しています。「どうせ私なんか・・」、と言われる人が多いのですが、どうかもっとご自分を信じてあげてください。
 今は症状があって辛い時期。しかしこの辛い時期からも何かを得ている、と私は経験上言えることができます。これは今患者の皆さま方に理解しなさいと云うのは酷なことです。だけども後々になってわかることです。
 
 ただ、誤解を恐れず申せば、クスリだけに頼っていてはいけない。病院まかせだけはいけない。
なぜ、自分がこのようになっているのか、心を分析して、布団に逃げ込むのではなく、体験的に行動していかなくてはならないのです。不安や恐怖に突入して行動を通じて、「やってみたらできた、思っていたより安易にできた」という勝ち癖をつけていくことです。




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# by mental-online99 | 2014-01-19 13:50 | 不安障害・パニック障害 | Comments(1)

メンタルヘルスONLINE スタッフの徒然日記。神経症 不安障害・鬱(抑うつ)などを語ります。


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