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  私たちの心は、ああでもない、こうでもないと考えつつ生きている。恐怖があるから、予め用心する心が生まれ、予期不安があるから適切な予防も可能となる。劣等感を感じれば、頑張らなくてはならないと思いこころを鼓舞させる。

  ここで不安障害(神経症)の人たちは、「周囲の人たちより遅れをとっている」或は、「自分は少しも出来ていない」と劣等感を抱くことがよくあります。これは徹底した完全欲である神経質傾向の特徴からでる劣等感であり、実際は皆よくできている。
  劣等感を感じれば、その劣等感に足を引っ張りこまれてしまって、自分はダメなんだと引きこもってしまう人と、ダメだから這い上がろうとする人では、今後の景色もがらりと変わってきます。

  最初は、駄目な自分として足を引っ張られ、劣等感と戦い下敷きになっている。しかし、「そうではなくて劣等感があるから良い。ダメだと思う自分があるから良い。」と理解すると徐々に前進をはじめる。飛べなければ走り、走れなかったら歩き、歩けなかったら這うといった努力家、野望に満ちた人が良い意味で不安障害(神経症)には多い。

  この執念、這い上がろうとする心が不安障害(神経症)の徹底した完全欲であり、称賛に値する心の強さである。私たちは、迷い、適当な雑念を抱いて生きている。迷うからこそ大きな過ちもない。むしろ、迷うこと、恐怖、不安がない人ほど意志が弱いかもしれない。神経質傾向の不安障害(神経症)のひとたちは、このように意志が人より強いから心の葛藤(不安や恐怖)が大きくなる。だからこそ良い。

  ここのところが最初のうちはわからない。これは止む負えないこと。しかし、やがて心も熟してきます。あの不安はこうだった、あの恐怖はこうであったと悪戦苦闘しては納得するの繰り返し。これらを散々遣り尽くしたあと、そのとき、心も動きだし展開していくのです。

  森田学説で申せば、不安障害の症状と思っていたところも、価値転回をすれば症状と受け取らず、有るから良いということでもある。この「有るから良い」と、「有るから困る」という人との間には、かなり大きな溝が横たわっている。すなわち、症状を持ち合わせる人達にこの溝をどうやって飛び越えさせるのかであります。

  プロの野球を例に申せば、大リーガーが「ヒットの打ち方」と書籍を出版して読んだところで大リーガーのようにはならない。自分でバッターボックスに立って、経験して失敗して身に付いていくもの。不安の解決も同じで、なんども何度も首をかしげながら、その溝を飛び越えていかなくてはならない。症状はあっても、「それはそれなりにして良し」と思える日まで。



不安障害(不安神経症), パニック障害・各種神経症の症状と心構え, メンタルヘルスONLINE



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by mental-online99 | 2016-11-14 19:40 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)
もう随分昔の話になりますが、職場の会議が夜遅くに終わり、給湯室にいくと居残って洗い物をしている職員がいました。洗い物も数多かったので私が、「手伝いましょう」と腕をまくり上げたら、職員から、「いいえ必要ありませんから」とかえってきた。それでも、遠慮はしなくていいとばかりに洗い物を手伝おうとすると、「自分のためにやっておりますので...」と再びかえってきました。

  そこで、ようやく私は気付いて、その場を離れたことを思い出します。どういう意味かと云うと、嫌だな、おっくうだなと思ったことでも、いざ行動すると「そうでもなかった」というところへ心が抜けて行く。不安障害(神経症)の場合は、このような「動いてみればそうでもなかった」体験を何度も経験すること多いのです。

  この職員を例に申せば、「自分のためにやっている」。今、頭がぼんやりして動くのも辛い、心臓がどきどきして不安が強い。このような時に、多くは少し治まってから行動しようとなります。そうではなくて、この不安の中に入って行く。ここを通って、先述のような「そうでもなかった」ところに心が抜けて行くのです。不安解決はこの繰り返しであり、勝ち癖を重なていくことになる。

 
  少々大げさに聞こえるかもしれませんが、綺麗であってもなおかつ掃除をする。心は庭と同じで手入れをしないとすぐに雑草が生えてくる。上手くは云えませんが、心の成長や、不安のとらわれは、嫌さや、おっくうだな、と思うところから入って行く。そこで向き合う敵はいつも、もう一人の自分なのです。
by mental-online99 | 2016-11-13 18:57 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)
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 ↑ 山口県内の駅。日本の経済をけん引するこの町は活気にあふれています。



  さて、不安障害(不安神経症)。

  多くの人達は、外来や相談場面において、自分の複雑な症状を正確に伝えないとならないと、時間の許す限り話されるのが特徴でもあります。
治療者側が、良い助言をしようとするころには既にタイムリミットも多く、症状の訴え半ばで次の人となる。
こんな考えもあるのか、と時には聞き役になることも大切です。


  このような不安にとらわれた状態から、限られた時間と言葉のみで、「不安はあって良い」という態度をその人にうちだす事は容易なことではない。

 
  いつも云うように、不安や動悸は、神経質傾向の不安障害にはごく人間らしい反応でもある。
ただ、これに反対しない心をどうして打ちだすか。
不安に反対しない態度、ここに心が抜けたとき、こんがらがっていた鎖が解けるように、心が自由に動き出す。


  びくびくしながらも、自分に正直に、ありのままに進む。

  自分を偽り、強い自分であるべき、人前で動じてはならないと鞭を打ち、不安があってはならないと心を操作してしまうと、たちまち不安にとらわれることになる。

 
  時に、弱腰になる自分。こわいこわいと思う自分。

 すべては、このような認め自分を受け入れるところから始まります。
自分が嫌だ、情けないでは道なお遠しになる。小心者の自分をむしろ肯定し、いとおしく思ってこそ不安の解決につながる。





  昭和初期の昔、森田先生のもとに飛び込んだ人が、「正常の発見」として、次のように回想しています。


  「昭和4年8月、私が森田を訪ねたとき、言い渡された診断は、『君の不安も雑念も対人恐怖も治らないよ』というものであった。それは、病気ではない。僕も同じで一般普通の心だからだという。『もう帰っていい。どうしても解からなければ、ここで修養するより仕方がない』と、いまも、こんなに悪いのにひどい医者だと思いながら帰ったことをはっきり覚えている。」



不安障害(不安神経症), パニック障害・各種神経症の症状と心構え, メンタルヘルスONLINE


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by mental-online99 | 2016-11-12 20:33 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)

メンタルヘルスONLINE スタッフの徒然日記。神経症 不安障害・鬱(抑うつ)などを語ります。


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