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山桜と岩 - 神経症

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 人にも、花も、石にも、役割と云うものがあります。

 このような話を以前聞いたことがあります。


 地方の山奥に、毎年春になると立派に咲き誇る大きな山桜の木がありました。

 しかし、昔から山桜の幹と根には、大きな岩がもたれかかるよう食い込み

 山桜を圧迫していたそうです。


 いつの日か、これでは山桜に良くないと、村の人たちが岩を砕き、移動させました。

 すると、山桜は翌年の春、桜を咲かすことなく枯れてしまいました。

  
 つまり、長い年月を経て、山桜も、岩も、互いになくてはならない「自然」になっていたのですね。

 我々も同じことが云えます。

 一見、苦しいと思う様な、不安感や憂鬱な感情・・。

 これらがあるからこそ、生きていく上での楽しさや、達成感、うれしさが際立つ。

 

 不安があるからこそ、病気の早期発見も可能になるし、

 仕事においても予期不安が活躍し、致命的なミスも少なくなる。



 不安感、確かに取越し苦労も多いし、今は苦痛かもしれない。

 しかし、いつの日か、

 この岩のように、実は役立っていると深く自覚ができたとき、不安と一体化したとき、

 不安があっても不安が問題とならない心の態度になっていると私は思います。


 取り越し苦労する自分、

びくびくはらはらする自分をあるがままに認める。

 その時、心は自由なのです。


 
 関東は一気に寒くなってきました。風邪などひかないようにご自愛ください。



不安障害(不安神経症), パニック障害・各種神経症の症状と心構え, メンタルヘルスONLINE
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by mental-online99 | 2015-10-31 18:32 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)
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 ↑ 秋深まる武州。


 神経症(不安障害)において、

 「不安と感じるそのものが自分である。」

 不安症状、その不快感から異物としてとらえ、排除しようと心で操作するのと、他方、

 不安と感じるのが神経質な自分、と自覚するのとでは先々、見えてくる景色がまったく異なってくる。

 ただ、発症間もない頃はどうしても症状を無くすために不安と戦ってしまう。これは仕方がない。

 昭和初期、森田先生にかかっておられた倉田百三氏が自身の神経症体験を次のように話されています。
※倉田百三氏は「出家とその弟子」「愛と認識との出発」などを書かれた後、一時、ひどい強迫観念にかかり、結核性の病気で10年も病床生活を送ったあげくに、不眠恐怖(強迫観念)になった。

 「ただいかなる苦痛であるにせよ、ひとつの苦痛がかせられ、それがいかなる努力をもってしてもふり払うことができない時、われわれはどういう態度をとれば良いのか、そしてその態度から何が生まれるのか、およそ避けることの不可能な苦痛から解脱する道というものがあるのか、という深い問題にふれることになる。病気の治癒ということは、むしろ副産物である。(中略)さらに私の体験においても、私は病気を治そうとして治ったのではないのです。ただ身にふりかかってきた運命を耐え忍び、一生懸命に生きているうちに自ずから治ったのです。生きることに一生懸命となって夜も昼もなく、いつが昼だったか夜だったか分からないようにほとんど夢中に生きているうちに、いつしか自ずと病気は治ってしまったのです。とにかく心気一転ということになる。」

 このように、倉田百三氏は語っています。
ここで倉田百三氏は、治癒は副産物といいます。
凡人の我々にはなかなか言えません。
だけども、我々はこのような達人ではなくとも、理性をもって、理性から思い起こして、びくびくでもはらはらでも行動していきたいものです。

 このように病気をして初めて気付くものがある、或は、それらに気付けたとき、病気そのものを与えてくれた境遇に感謝する人もいます。一方で、いつまでも病気を患ったその運命や世を妬む人もいます。
 少なくとも、これまで目の前で起こっている事実を真正面から受け入れ、「一切それでよし」、と深くこれらが自覚できたとき、自らの状況に合わせた判断、行動が発現してくると思います。


明日も皆さんにとって良い日でありますように。



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by mental-online99 | 2015-10-19 20:55 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)
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 ↑ 小川に咲く、コスモス。綺麗に咲いている花、そうでない花。隠すことなく堂々です。

 
 さて、発症初期の人には難しかも知れませんが、神経症・不安障害について少々。

 誤解を恐れず申せば、神経症(不安障害)は治そうと一生懸命になっているうちは解決も遠くなる。何か禅問答のようです。しかし、これはとても大事なところです。
 「治そうと一生懸命になっている。」、これは、症状に囚わているのと同じで治すことに囚われるからであります。又、治すことに囚われると今度は、行動の多くが、治すための行動、どれほど良くなっているか確かめると云う行動にもつながっていきます。

 不安を取り除こう、或は消滅させようと努力している限りその不安を解決することは困難になる。つまり、不安と同居する、持ち合わせながら生きていく、これが自分であると知的ではなく、行動を通じて体得しないかぎり不安を超えるのは難しい。

 宗教とは関係ありませんが、昭和初期、森田博士は、「びくびく即悟り」と云うことばを用いておられた。神経症(不安障害)の人が、外出するのにびくびくする。そのままびくびくに入り込み、その現在と一体化したとき「想像したよりも苦しくはなかった」と、まるで悟りを得たのと同じ心境と例えることができます。

 「柳は緑 花は紅」

 柳は緑で、花は紅い。当たり前のことが当たり前に感じる「心」、と云うのは相当な修練が必要です。いつもBlogにUPする花たちも、綺麗なところ、枯れてしまったところ、隠すことなく堂々と咲き誇っています。そのまま、ありのままです。

 又、暗が深ければ深いほど、微光もありがたく感じる。苦悩が深ければ、これまで感じ得なかった、些細な出来事、言葉がありがたく感じるものです。

 明日も皆さんにとって良い日でありますように。






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by mental-online99 | 2015-10-18 21:17 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)
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 ↑ 夕陽に染まる秋の茶花、コスモス


 さて、今回も神経症(不安障害)のお話。
 神経症における不安症状は、その人の「素」であり、そのままであると私は解釈しています。

 不安が襲ってくると、神経質でごちゃごちゃと考える神経症の人たちは、「それならいい加減な性格になろう」と自分に言い聞かせ、気にしないように努力する。しかし、そのいい加減になろう、気にしないようにしよう、と試みるはからいが一層の「とらわれ」を生んでしまうことになる。これはどうやっても症状を気にする行為になるからであります。したがって、いい加減になろう、神経質を無くそうとするのは到底無理なことであるし、逆にそのようになっては自己否定につながり、主体性が無くなってしまう。

 何度も述べているように、不安症状に陥る人たちは公私共に守るべきものが多く、一方で人から評価されたい、認められたい、よりよく生きたいという強い欲望に満ち溢れている。そのためにその心の裏側として、日常の生活に常に不安になりやすい。このように他人とは比較の出来ないほど、かけがえのない素晴らしい心根を持ち合わせた「自分」であるから、否定してはならないし、無くしてもならない。
 
 不安や自分をどうにかしようとかではなく、自分が不安に陥りやすいという事実を認めることにある。そのようなキャラクターであるという認識から心の修正は始まる。
 神経質の柱である、完璧主義、病気に敏感(生存欲が強い)、内向的、、など色々ありますが、この「徹底的な自分」を受け入れその性格の中でむしろあぐらをかく位の心持ちでいることが良い。言い方を変えれば、その主体性を確立した自分としてその生き様を貫いて戴きたい。

 ここを通って、心が鍛えられ(強化され)、自分がこれまで不安症状と呼んでいた「症状」に反対しなくなってくる。このとき、それなりに不安が役立って流動していくのであります。

 不安症状が急性期であらわれているうちは、我々の言葉も入ってはいかない。このような局面で、いわゆる精神療法等でその不安の受け取り方を心に変化させるのは、相当なエネルギーと時間を要する。又、人によってはこのような心の態度が十分に出来上がらない人も多いのが実際であります。

 又、このような神経症を説明する場面で、すぐに禅語や法話のような言葉を用いる、、と揶揄されることも多いのですが、これは神経質(神経症)を解決した状態は、禅の悟りと近縁性のものであるから、わかりやすく表現しているのに過ぎない、よって宗教的なものでもない、と云う事です。

 
 「岩もあり、木の根もあれど、さらさらと、たださらさらと、水の流るる」



 明日も皆さんにとって良い日でありますように。


 
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by mental-online99 | 2015-10-16 20:51 | 不安障害・パニック障害 | Comments(2)

小善は大悪に似たり

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 ↑ 野道の柿。すっかり秋も深まってきましたね。

 「小善は大悪に似たり」、と云うことばがあります。
今日はこれについて書いてみたいと思います。


 私がまだ社会へ出て駆け出しの頃、勤務を終え自宅に帰るのはきまって午前0時を回っていました。すでに賑わってたであろう飲み屋もすっかり閉店し、いつも祭りの後の静けさの中歩いて帰っておりました。

 丁度、マンションに付く手前に公園があって、
当時、真っ暗な公園に電話ボックスが煌々と輝いていたのが印象に残っています。静まり返った公園、電話ボックスの横でいつも私を出迎えてくれる野良猫がおりました。
 もう時効でしょうが、深夜(午前1時、2時頃だったか)、近くにあったコンビニで98円の猫餌を毎日のように買ってはかわいがっておりました。ところが、ある日から野良猫がだんだんと増え始めてきました。

 不思議なのが、他の人がそこを通っても彼ら(猫たち)は姿を見せないのですが、私が通ると必ずどこからともなく出てきました。壁を飛び越えてくるネコ、細い路地から出てくるネコ、車の下から出てくるネコ・・・。

 当時、安月給で自分が独り食べていくだけでも大変な時代。少ない給与から毎日のようにコンビニで買う餌代だけがどんどん増えていったのを覚えております。当時、コンビニの職員さんもそんな私を見かねてか、色々ご協力を戴きました。(本当にお世話になりました。)

 何匹もいるネコにも性格があって、餌を与えても、後ろのほうで遠慮して一向に前に出て食べようとしない気の小さなネコもいました。その子に餌を持って行ってあげるのですが、他の猫に横取りされてしまう。
 また、野良猫なので、中には片足の無いネコ、皮膚のただれたネコ、目の見えないネコたちが必死になってそばに寄ってくる姿は言葉になりませんでした。皆が食べるのを見届けた後、片付けをして、まあ、そんな事を深夜に延々とやっていたのだから仕方ありません。

 結局のところ、何を申し上げたいのか、題名にもあります、「小善は大悪に似たり」。

 小さな優しさ、親切と思ったことが結果として大きな悪になる、と云う事。この猫を例に云えば、私が可哀想と思って子猫たちに餌を与えたばかりに、彼らは自分で餌を探しに行くことを忘れてしまった。美味しい缶詰めの味を覚えたばかりに、野草さえ食べなくなってしまった。そしていつしか、いつまでも私を待つようになってしまった。

 猫たちが野良猫と云うことを忘れ、餌をもらうことが習慣になってしまい、特に子猫たちには悪いことをしてしまった・・と今もありありと当時を振り返ることが出来ます。

 これらは、我々人間にも云えることです。
自分が親切と思って手を差し伸べたことが、結果として逆効果になってしまう、と云うことはよくあることです。

 米国大手企業が社員教育において、次のように話します。
湖面が凍るような寒波が来た時、水鳥たちは餌も無く困るであろう。その時、会社が餌を与えるのは簡単だが、そのような教育はしない。寒波で湖面が凍って餌も無い中、多くは亡くなっていくかもしれない。全滅に近いようなこともあろう。しかしそんな中でも自ら餌を求め何羽かは生き残っていく、、、そのような教育をしていく、と。

 これは卓見であります。
私もこの精神医療系業務に携わる中、多くの場面で「これほど苦しんでいるのに・・・」と窮状を訴えられることも多いのが実際。本当にこれは難しいところに触れているのですが、これくらいは良いであろうと、手を差し伸べたその小さな優しさが結果として大きな「悪」となってその当事者に返ってくるのを私たちは忘れてはならないと思うのです。

 朝晩めっきり冷えてまいりました。どうか体調管理にはお気を付けください。

 明日も皆さんにとって良い日でありますように。

 

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by mental-online99 | 2015-10-07 22:16 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)

メンタルヘルスONLINE スタッフの徒然日記。神経症 不安障害・鬱(抑うつ)などを語ります。


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