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ことばと神経症

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 ↑ 秋らしい空(鱗雲)になってきました。でも関東はまだまだ蒸し暑いですね。

 さて、神経症の人たちから、抗不安薬やSSRIなどお薬を飲むこと「どう思われるか?」と尋ねられることがあります。結論を述べれば、私はお薬に対し決して否定的なわけではありません。従って、不安やパニックが活発な急性期の段階では、どうしてもお薬が必要な時期もあります。

 一方、お薬が必要なくなった、自然と減薬になった、と云う人達も大勢いました。
縁あって本サイトを訪れた神経症やパニック症の人たち。一対一の面談、電話、本サイトをお読みになった結果として、お薬が必要でなくなった、或は自然と投薬量が減ったと云う事例です。

 今は亡き、恩師が言っておられた「神経症治療は患者と云うより人生知の先輩と弟子のような関係である」。恩師は生涯白衣を着ることもなかったし、「治療してやる」といった高い位置からの目線や言葉もなかったように記憶している。晩年、90歳を超えてもなお、若き日の神経症経験の立場から、苦悩する患者たちを「類縁の友」と仰せられていた。
 又、昭和初期、慈恵医大精神科初代名誉教授・森田正馬博士も同様、息を引き取る間際まで神経質の人たちを、「いい性格じゃ、いい性格じゃ・・」と言って御他界されていった。

 こうしたお歴々の先生も、最初から薬に否定的だったわけでなく、慈愛溢れる対話や打ち込み的助言によって、患者の心に響き、心気一転した結果として薬が必要ではなかったと説明するのが適切なのかもしれない。
 
 時間をかけた対話から生まれる心の共有。そして決して一人ではない、理解あるものがここにいる、、といった安堵感、、。窮屈で閉塞的な今の世だからこそ、求められるのは、ことば、そして心の共有ではないでしょうか。



 明日も皆さんにとって良い日でありますように。

 

不安障害(不安神経症), パニック障害・各種神経症の症状と心構え, メンタルヘルスONLINE


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by mental-online99 | 2015-09-13 18:44 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)

黙(もく) - 神経症

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 「黙」、宗教など一切関係ありませんので気楽にお読みになってください。


 不安障害(不安神経症など)。
多くの人が、その強い不安症状からついついベッドに横になってしまう。先日、初めてお電話を頂戴した人も、「かつては、まるでお爺さんのような生活だった・・。」と話されていました。神経症の横臥(おうが)、つまり横になることは更に症状を強めてしまっている場合があります。しかし、強い不安時に横になること自体悪いことではありません。唯、ここで大切なことは、長々と横になるのではなく、早めに起き上がる工夫をすること。

 と云うのも、神経症の人は完璧主義の為、完全に良くなってから次をしようと云った気分本位が多いのは周知の通り。長々と布団で横になっていると、今度は真正面から不安や強迫観念といった囚われと向き合うことになる。すると、自分自身が不安と共に心の底へ底へと向かうことになり、ますます不安症状も堅固になってくる。またこの時、自分が自分でない感じ、現実でない感じなどが合わさるケースも多い。

 結局何を申し上げたいのか、
辛いから休息して横になること、、時にこれが、休息になっていない場合があると云う事です。
ほどほどに切り上げる、漠然と長々横臥するのではなく、「まだ少し辛いけど起き上がってみるか、、」くらいが神経質の人には丁度良いのかもしれません。長時間の横臥が、より不安を誘因させていないか今一度考えてみたいところです。

 さて、神経症の人たちは主観的な思想の遊戯が得意であります。不安症状も医師が客観的に「大丈夫だ!」と言っても、主観的、抽象的概念をもって思想の遊戯をし、囚われをより複雑化している可能性もあります。

 何事にも、結果を求めないことが神経症の重要なところです。
まだ、神経症が浅い方には難しいかもしれませんが、安心をただちに求める、治すことに囚われ日常生活の多くを病院に費やす、、、などなど、その完全欲も時に曲者になります。誤解を恐れず申せば、安心を求める、心を綺麗にする、、と云ったものでなく、むしろ不安なまま、気になるまま、心はますます汚れていくままに生きていく。まさに、あるがまま、そのまま、であります。

 「黙」。
この「黙」という言葉。本来、言葉は発言しないと分からないもの。しかし、お互い黙っているほうが気持ちが通じることもあります。唯々、なんでも口に出すことが良いというわけではありません。神経症の場合、その辛さの余り、同情を求め必要以上に家族へ症状の愚痴を言ってないでしょうか?言わないと分からない、きちんと完璧に説明しないと分からない、、と云う観念こそ今一度考えてみたいものです。皆さんは何かを伝えたい時、「黙」をもって伝えたことはありますでしょうか。

 明日も皆さんにとって良い日でありますように。


 
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by mental-online99 | 2015-09-11 20:34 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)
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 神経質(今の神経症)の人たちに、「われわれの心は欲望に満ちている」と云った言葉があります。神経症の人たちはその症状こそ苦しく激しいが、「いつか見てろよ」と心の炎は強い。裏を返せば、その完全主義ゆえ、予期不安に陥りやすく、未だなってもいない思想の遊戯をすればその不安も増し病気恐怖にもなり死の恐怖、つまり複雑な不安症状へとつながっていく。

 この神経症。不安が強い、心身の異常感覚が心配、、これさえ無かったら・・・と皆が言う。しかし、これらの不安や心配を消滅させれば、自分はもちろん家族も守ることができない。
 神経症の人たちは、何でもやる前から価値批判をする傾向がある。何かにつけ、自分本位にぐじぐじ言ってしまう。我々は、それらの症状に対する感想や愚痴はひとまず辞めて、ただ目の前の必要事に手を出していくよう助言する。

 慈恵医大初代精神科名誉教授であった森田正馬先生の弟子、鈴木先生が言う。(※故 鈴木先生は昭和初期の学生時代、今で云う神経症にて森田病院に入院して全治した経験を持つ精神科医師であった)
「私は森田先生のところで、雨の日は夢中になって封筒作りをやりました。短い期間、夜と雨の日だけで二千枚の封筒を作った。入院中、私は夢中になって炊事の主任をした。夢中になって走り続けていっただけです。走り続けていってみたら、自分が変わっていたというだけです。今日は気持ちが良いとか、雨が降ったから胸が重かったとか、また不安があったとか言っている暇がなかった。そのとき心は動き出していたのです。いいですか、そこが分からないといけない。」(森田療法を語るより抜粋)

 又、森田先生は、「階段を音もなく降りるように」と指導されていたのは有名です。つまり、神経質ならこれくらいの心使いや用心はできるはずだ、出来ないなら神経質が足らない、もっと神経質を活かしなさい、と説く。そういう風に歩いたり、ご飯を食べたり、その中に(神経質には)自由になる道がある、そこをつかめと言っておられる。

 人にはいろんな人生がある。誰一人として同じ道はない。
だからこそ、人生は仮説ではない。実体である。あるのは今この一瞬、今の人生だけ。だから、今をどう生きるかが問われる。不安や心配、恐怖がある、、もしも〇〇になったらどうしよう、、と考えれば不安も強く体もついてこない。しかし、いつの日か、なんとなくではあるが、「これが自分なんだ、これが自分のキャラクターだ、、」と云うところに心が抜けて行く。すると、苦しいのは苦しいけど、それだけ。嫌なものは嫌だけど、嫌なだけ、、。と云うように神経症の人たちは、やがて不安を相手にしない、不安と戦わない態度がでてくる。これは大げさに申せば、寺で修行する禅僧たちの見性(けんしょう ※修行によって表面的な心のあり方を克服し,自分に本来備わっている仏の真理を見きわめること。の意味)に同じ体験であろうと私は感じるのであります。


さて、週末ですね。明日も皆さんにとって良い日でありますように。

 
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by mental-online99 | 2015-09-04 22:14 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)

メンタルヘルスONLINE スタッフの徒然日記。不安障害・鬱、アルコール依存症などを語ります。


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