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人生の旅

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 写真は、北海道の風景です。1週間以上にわたり、北海道の各ご家族宅へお邪魔してまいりました。
北海道は私にとって長年勤務した思い出深い街です。広い大地のあちこちに仲間もいて、空気、水、食材も合わせて大好きな街です。
 ご家族や当事者の皆さま、雄大な大地の如く、良き時間を共有できましたこと改めて感謝申し上げます。

 さて、この出張ではないですが、まさに人生は「旅」であります。
旅をするからには、目的地を定めた上で、建設的に歩んでいきたいものです。

 人生の旅であるその道中では、様々な出会いと別れがあります。いろんな災難や病気もあるかもしれない。人生の目的さえしっかり理解していれば、心も保てその様な局面においても目指すべき道を見失うことも少なくなると信じます。そんな波瀾万丈な道中、できれば神経症傾向の人たちには、一人で歩む道を決めてもらいたいと思います。特に、これまで親御様に行き先を任せてきた人なら尚更です。

 言葉に誤解を恐れず申せば、私がお会いしてきた多くの神経症の人たちは家族の過干渉が多い。当事者と親御様と三者でテーブルを囲んだ場面を想像してほしい。当事者が何か私に話そうとするのだが、すぐに親御様が助け舟を出し、親御様或は配偶者が話を噛み砕き長々と続けてしまう。このような生活が20年、30年或は40年過ぎている人たちが多い。したがって、当事者+ご家族が共依存化した生活環境が形成され、今に至っていることを憂慮してならない。
 ぜひ、一人で決断し今後の人生を歩いてほしい。失敗しても良い。その失敗が何事にも代えがたい血肉になっていく。そこを通って、人生の目的と云うものを、症状を持ち合わせながらも体験的に理解していくものであります。たった一回しかない人生、たとえ小なりと云えども、中なりと云えども素晴らしい人生を過ごす権利と自由が皆にあるはずです。

 この度の北海道出張。ご家族と何度か話題になった事に、「単に医者任せになってはいないか」、と云う話がありました。少々難しいお話になるのですが、保険診療の場面では、どうしても診てもらう権利と云った態度になりがちです。前回のBlogでも述べたように、「私には診てもらう権利がある、さあ治してください」と云った医者任せの状態では、先々の生活史にも大きく影響してくると感じる。ではどうすれば良いのか、、については各々考えてみて戴きたい。

 日本人口の4人に1人が精神疾患と云われている時代。
神経症や鬱など、精神症状を持つに至った皆の回復が遅れることは、何より日本社会にとっても大きな打撃であるし、遠く離れて暮らす関係の無いわたしたちにとっても社会的打撃は大きい。なぜなら、元来神経症の人達は、頭も良く、仕事が出来る人が多い。場の空気を読み解く力も鋭く、出世型タイプであります。今は唯、症状に囚われているに過ぎない。

 特に神経症類の人たちは、既に薄々お気づきのように、神経質ならこの不安症状はいずれ解かなくてはならない人生の大切な節目にある。神経質の人たちはそれを、ある時は泣き、ある時は安堵し、ある時は恐る恐る粘って進まなくてはならない。この不安症状は時にしつこく、どうにもならないから自暴自棄になりそうな時もあろう。しかし、あるがままに粘って進めば、背負っていた不安症状とやらも肩から落ちていく。

 ある禅匠が、「不動の心とはどういうものか?」と聞かれて、次のように答えています。
「東奔西走(とうほんせいそう)」、と。
 つまり、このように解釈できます。東に走り、西に走る。留まっていない自由な心であると。
不動の心とは大きな石のように動かないと誤解している人も多いと思いますが、実はそうでなく、四方八方に気を配り、最新の注意を払って、しかもどこにも心を留めないことを云います。

何事にもこだわらず、とらわれず、かたよらず時処位に応じて自由自在にふるまう。それが不動心と私は心得ます。

 

不安障害(不安神経症), パニック障害・各種神経症の症状と心構え, メンタルヘルスONLINE
http://www.mental-online.co.jp/care.html



◆以下URLにて、皆さまのご感想・ご意見・ご要望などをお待ちしております。

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by mental-online99 | 2015-05-29 22:41 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)
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↑ バラが満開。「紫雲 shiun 」

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 ↑ ハイブリッドティーローズ系、「エレガントレディー」


 さて、今日は体験談を紹介し、「神経症」を考えてみたい。
少々難しいところに触れていますので、わかりにくい場合はスルーしてください。

 神経症の人たちは、違和感や不快な感覚をそのまま受け入れることが出来ない。
不安症状にとらわれている余り、不安と戦い、また戦い、その感覚や感情を心から追い出そうとやりくりする。この不安と戦う心の態度そのものが問題であるとことは幾度も述べてきました。しかし、

これらを聞くと、「それなら不安を取り去ろうとしなければ良いのだ」と再び心をやりくりをする。つまり、不安と戦うな、と自分に言い聞かす。その心の裏には、「取り去ろうとしなくなれば不安は無くなる」と期待するから結局、不安にとらわれることになる。

 体験談を紹介したい。ある男性が神経症に悩む。
「これまで不安症状に悩み、不安が起こる度に、自分へ気を大きく持てと言い聞かせ、それでもダメな場合は頓服を服用してきました。一日中、落ち着く間もなく不安が襲ってきますので、どうすれば不安を無くすことができるのか、と悩みぬいてきました。不安が現れれば、これはこのような理由で不安なんだと言い聞かせ、自分で納得しては消火作業をする日々です。しかし一つの不安が収まると、今度は違った違和感にて不安が生じ、もぐら叩きの状態です。ですが、長年この状態を患っておりますと、なんとなくこの正体がわかってきたように思います。それは、不安を放置しようとすれば、この放置しようとする”はからい”から結局不安を招いてしまうことです。しかも囚われれば囚われるほど不安は大きくなってしまう。不安を放置するとは難しいことです。」(以下省略)

 この男性の体験談をまとめると、
①不安は自分の意思では取り払うことができない。心の操作は出来ない。
②不安と戦うこと=不安症状を大きくすることを体験的に理解している。
③不安と戦うことを辞めれば不安が消失すると思ったが、むしろそれが心のやりくり(はからい)となり不安を大きくさせてしまった。
 
 大切なのは、不安神経症、対人恐怖やパニック障がいなど、不安症状と呼ばれる不安感と云うのは、「不快感と感じるそのもの、その鋭敏さこそが自分自身である」と自覚することにある。少しの不快な感覚や違和感を、悪性の精神病、或は取り返しのつかない、何らかの病気ととらえ、その違和感がますます強度になってしまったとも云える。それはまるで一人夜の墓場を走り抜ける心理に近いものがある。夜、自分の走り去る足音が恐怖のあまり、様々な想像を生み出すようなものと。
 言葉に誤解を恐れず申せば、当事者である皆さんが、苦しむだけ苦しまないと、この「自覚」には至り得ることは難しい。不安症状の中、その不安の現在に入って唯々身を任せた経験をして、苦しみ抜いた末に徐々に分かってくる。この「はからい」と云う男性の言葉も、悩みぬいた人でないと奥深く理解はできないだろうし、神経症そのものを語る上で、この男性のように他人の神経症人の心も知り得ないであろう。

 神経症の不安症状や身体的症状は、長年を要するのが一般的。
これらの症状を家族を含め、他人へ理解を求めても困難な場合が多い。又、神経症を経験したことの無い医師にさえも、「自分への理解がない、助言の的が外れている等」の報告もあるくらいであるから、神経症の人たちからの評価や治療者に対する期待は大きく厳しいものである。これは私見的に述べれば、神経症やパニック障がい、対人恐怖等の症状を持ち合わせる人たちは、総じて神経質が多い。しかも、単なる神経質ではなく、より良く生きたい、人から認められたい、とする”強烈な願望”がある所以である。このため、少しでも自分に不利な感覚や不快感に不安に陥りやすいことは以前にも述べた通りです。

 上述の男性に戻りますが、不安が起これば放置、所謂あるがままにしておこうとする男性の態度は鋭い。戦い尽して知るに至った「はからい」と云うことばのように聞こえる。
しかし、ここからが本題の重要な部分でありますが、神経症、パニック障がいにおいて、不安症状や身体症状を本当に放置して、不安と戦わないとする心の態度ができれば、不安症状と呼んでいた「症状」は記憶にも残っていないのである。

 この「記憶にも残っていない」とする心の態度をどうやって皆に発現せしめるかであります。

 ブログに掲載することを了承いただいた、上述の男性Sさんにはこの場をお借りしてお礼を申し上げたい。
近い将来、笑って再開出来る事、楽しみにいたしております。
 




不安障害(不安神経症), パニック障害・各種神経症の症状と心構え, メンタルヘルスONLINE
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by mental-online99 | 2015-05-18 20:10 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)

好意にならず

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 ↑ ハンカチの木です。葉がハンカチに見えることから呼ばれています。


 さて、久しぶりの更新となりました。


 以前にも書いたことなのですが、私はかつて経済的な理由から十分な治療等が出来ないとする人たち(精神疾患等)のご支援をさせていただいた事があります。

 家族から十分な理解がされない事を理由に、家出をして一人暮らしを始めた人(後々和解あり)、
カウンセリング(精神療法)等、保険診療外の支払いが困難、など様々な人たちが過去におられました。


 支援と云っても、当時、私の時間が空いた時だけ無償にて、カウンセリングをしていた程度ではありましたが、時に就職の支援をしたり、相談に乗ったりと思い起こせばいろんなことがありました。


 そこで今も、強く記憶に残っている私の失敗。

難しい表現になるののですが、例えばカウンセリング(或は相談)。

「相手に無償で行った事は、無償程度にしか身にならない」と云う事です。ここは、本当に難しいところに触れています。


 今、世間ではカウンセリングなど保険適用外であると、60分で5千円から7千円くらいが相場でしょうか?一万円くらいのところもあるでしょう。


 つまり、汗水流して苦労して貯めた自分のお金。

そのお金を持ってカウンセリングに行く。これら高額の金員を支払って受けるからには、それ相当の何かを必ず血肉にしようとする心構えが、受けに行く道中既に備わっているものです。しかし、私が行っていた「無償や減額」と云う行為は、コンビニ感覚でいつでも手軽に受けれる、いつまでも居ていいと云った危機感なき薄っぺらいものでしかなかったと振り返ることが出来ます。


 私の恩師も同様の経験をされており、この問題点を以下のように述べている。
「その心的態度の差はそれ程にも思われなかったが、それは厳格に人選して入院させたということが大きな原因と思う。保険のもので途中で治療をやめたものはなかったが、ねばって作業の中に入り切る態度はすくなかったように思われる。保険診療で、自分は治療してもらう権利があるというような立場に立たれると、森田の精神療法は十分に行うことが出来ない。勿論森田のみでなく、精神分析療法でも同じであろうと思う。特に不問療法のような、症状を放置して目前の作業に入り切る点など不可能ではないだろうが、やりにくくなってくるのではないかと思う。森田療法の理論を十分理解しても、不問療法などの、どうにもならないどん底の心的態度を経験さす微妙な点が極めてやりにくくなるおそれが十分ある。
 また、私の所の入院で、経済上の問題もからめて、入院二、三カ月頃から、今まで二十数人、ほとんど入院費なしにしたことがあるが、そうすると大部分がのんびりして、作業の中に入り切る意欲が極めて減ずる。このことは注目に価する事実である。いつまでもいてよいような態度になるものが多い。土居健郎教授の理論の「あまえ」の点を考えると、この「あまえ」をどうしてうち切るかが問題になるようにも思われる。』 (以上)
 

 かつて好意と思った事が、実は、そうではなかった。

むしろ、温室的に時間を過ごさせ、社会的脆弱性を増す結果に導いてしまった、と当時ありありと感じました。しかし、これらを当事者である彼ら彼女たちに説明をするに困難を極めました。

 と、申しますか、結果として伝わらなかったと云うほうが適切なのかもしれません。当時、「結局は金か・・」と云われた言葉が今でも、この耳奥に残っています。


 自分にはこれしかない!と思い、自分で貯めたお金を握って望む心構え。

その治療者と向き合う時間には必ずや血肉にして帰る、結果を出す!と云った強烈な願望が有るはずです。ある人は、ノートに一生懸命メモをとり、ある人はじっくり、この時ばかりは聞く側にまわる。(神経症の人は大切な治療者の話しを聞くよりも、自分がこれほど辛い、伝え漏れが無いよう時間いっぱいに話す傾向がある。)


 私たちは症状(病気)を理由に、経済的弱者だからと、様々減額などお願いされる場面も多い。

しかし、先述の通り、多くの好意がむしろ逆なる結果となる、或は、大切な人格形成の時期なのに、結果として脆弱な心根を持つに至った、とすることが往々にしてある。


 これらは、私の自戒であります。






不安障害(不安神経症), パニック障害・各種神経症の症状と心構え, メンタルヘルスONLINE
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by mental-online99 | 2015-05-14 23:36 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)

メンタルヘルスONLINE スタッフの徒然日記。不安障害・鬱、アルコール依存症などを語ります。


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