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「竹」


  私の好きな詩に、「竹」があります。
力強い生命に対する躍動感がぐんぐんと伝わってきます。

 
◇ 竹 「月に吠えるより」


光る地面に竹が生え

青竹が生え

地下には竹の根が生え

根がしだいにほそらみ

根の先より繊毛が生え

かすかにけぶる繊毛が生え

かすかにふるえ

かたき地面に竹が生え

地上にするどく竹が生え

まつしぐらに竹が生え

凍れる節節りんりんと

青空のもとに竹が生え

竹、竹、竹が生え


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  この竹、の題名だけでも鋭く、力強いものを感じます。
私たちの人生、様々な局面で心も萎え弱気にもなり、絶望感も経験します。
この詩「竹」は、萩原朔太郎の「月に吠える」大正6年(32歳)に所収されています。

  大正6年当時、「竹」を書いた作者は心を病んでいたようで、日々悪戦苦闘をされていたようです。
そんな中で作られた「竹」。病の底からなにがなんでも這いあがっていく、と云う力強い精神が手に取るように伝わってきます。

  繰り返し読んでは、悲観を微塵も感じさせない、その執念、迫力。そこからは、

 「苦しいから頑張るのではなく、病を経験したからこそ目標を見出すことができた、だからこそ生きる!」と訓しているように思うのです。



 

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by mental-online99 | 2014-07-29 17:44 | 統合失調症 | Comments(0)
   関東地方も猛暑が続いています。熱中症には十分気を付けてください。


  「病者である本人も大切だが、まず支えている家族を見よ」

  これは私がいつもスタッフに云う、口癖であります。
アルコール依存症や統合失調症、薬物依存(危険ドラッグ等)などで強制的な入院をさせたいとする家族は大勢おられる。しかし、本人の入院に対して今一歩踏み込めないとする家族が一人でもいれば私たちは受任をお断り申し上げている。

  一例を挙げると、戸籍上本人が子供の場合、ご両親で意見が分かれる場合が多い。私たちは電話だけで受任することはないので、これは身をもって経験している。むしろ私たちと話すことによって、「妻はこのようなことを考えていたのか、、」など第三者が入ることによって新たな「気づき」があります。
 

  たとえば父は子供の強制入院は一刻も早く必要として勢いついていたとしても、母側はまだ一枚思うところがあるとする、いわゆる心のぶれを少しでも感じ取れた場合、丁寧にその部分に触れていく場合があります。

  表現は少々大げさでもありますが、ここで我々の私利私欲を優先し事を進めてしまうのは簡単であります。しかし、これを受任してしまうことにより、この例で申せば入院後の母親の自責、父と母の見えない心の溝が出来るのは容易に想像がつきます。確かにそんな事言っている場合ではないとする家族も大勢いる。しかし、心にぶれが生じると云うことは、逆に云うとそれだけまだ納得がいっていない、ぶれるだけの意見があると云うことです。

  私どもはこのような場合、まるで大きな岩にある小さな隙間を丁寧に埋めてもらうべく、様々な質問をします。それは老婆心ではありますがご家庭では見えない、第三者だからこそ気付ける隙間に気づいていただくためです。親と子が共依存でなかったかどうか、親同士が真正面から向き合っていたかどうか、子供に言いたいことは全て話したかどうか、、、質問することは色々あります。

  ただ単に力をもって病院へ運ぶだけなら探せば業者はたくさんおられます。
上手く述べることはできませんが、我々が大切に思うのは、上述のように家族だからこそ気付けぬ「こころ」に気づいて戴くことであります。そして、こころの隙間を埋め、「一切これで良し」と家族と我々双方が最大限歩み寄った接点を共有することです。ここを通って、親として家族としてやるだけのことはやった、とする心の落としどころが出来るのです。
 
  リアルな対人関係が減り簡単に心が折れる時代。苦しい、暗い時代だからこそ、小さな光がありがたく感じるのかもしれません。微力ながら小さな光を照らす役割でありたいと思うとともに、プロ意識もまた忘れてはならないと感じるのであります。

 
 
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by mental-online99 | 2014-07-24 22:57 | 統合失調症 | Comments(0)
神経症について昭和初期、故・森田正馬先生(慈恵医科大学病院 精神科初代名誉教授)が興味深い発言をされているので記述しておきたい。

 <以下、森田先生>
 今の井上君の小さな石にも興味をひかれるといわれた事は、漠然と考えると、ちょっとわかりにくいかも知れぬが、我々は海水浴に行く時は、つまらぬ貝殻でも、面白くて拾い集め、家に帰って見れば、早速なんでもなくなり、捨ててしまう事があります。温泉などで退屈の時には、川原の珍しい形の石や、目にも見えぬ小さな草花などにも興味をひくものであります。これが自然の心である。

 これに反してここの患者さんは、毎日仕事が見付からず失業ばかりしているのに、沢山の盆栽にも、少しも心をひかず、植木鉢の水が切れて、草花が枯れかかっていても気がつかず、いつ花が咲いたか少しもわからない。井上君が忙しくて、しかも小石に心をひかれる余裕があり、入院患者が失業していながら、しかも珍しい花にも、目をひかないという雲泥の相違が現われるのである。これはほかでもない。入院患者は、自分が何かする仕事はなかろうか、どんな事をすれば、病気が治るだろうかと、そんな事ばかりにとらわれて、その悪知に災いされているからであります。それがこの悪知を捨てて、心機一転すれば、すなわち病気が治るのであります。
 <以上、昭和5年11月 刑外会 座談会において>

 これには私も同感であります。
少し抹香臭い表現にはなりますが、不安神経症など不安症状においては、治そうとすれば治らず、治すことを辞めれば治るとでも申しましょうか。皆さんも周知のとおり神経症はそもそも、心の葛藤、「とらわれ」であります。
例えば、電車に乗っていると心臓がドキドキしてきた。ここで「こんなこともあるさ」で終わることが出来れば良いのですが出来ないのが神経質。
 このドキドキ(心悸亢進)を無くそうと不安と戦い、心を操作すればするほど心悸亢進は激しくなり、吐き気やめまい感、卒倒しそうな感などが発現し、ついには途中で下車する羽目にもなる。神経症の人たちは「治す」ことに「とらわれ」ている余り、森田先生の云うように野に咲く花どころではない。

  さらに森田先生は云います。
自分の病気が治らないと主張する人は、いつまでたっても、決して治る時節はこない。その人は、いくら仕事ができるようになっても、演説ができても、決してよくなったとはいわない。いつまでも、人前で恥ずかしい、思う事がスラスラといえないとかいい張る。それは夏は暑い・冬は寒いと同様に、いつまでたっても、どうすることもできないという事に気がつかないのである。

 神経質の症状の治ると治らないとの境は、苦痛をなくしよう、逃れようとする間は、十年でも二十年でも決して治らぬが、苦痛はこれをどうする事も出来ぬ、しかたがないと知り分け、往生した時は、その日から治るのである。すなわち「逃げようとする」か「踏みとどまる」かが、治ると治らぬとの境である。
   <以上、刑外会 座談会において>

 
 たとえば、皆さんの思考はAまたはBのどちらでしょうか?

A.今日は症状があった。しかしやるべきことはやったので良い日であった。
B.今日は症状があった。やるべきことはやったが、症状があったので悪い日だ。

 症状にとらわれている人の思考(癖)は、Bであります。この思考癖では、本来ほめて勝ち癖を付けるこのような場面でも、負け癖に考えが移行されます。今一度皆さんの、考え方を見つめてみてはいかがでしょうか。


 さて、誤解を恐れず申せば、不安症状は、いわゆる「やけのやんぱち」を体験することも必要。
この心的状況を体験することで、今度はめまい感や卒倒恐怖やパニック、不安発作などが「どうでもこうでもいい」、、と云うところに心が抜けていく。人前で恥をかこうが、どう思われようがどうでもいい、むしろ最後どうなるか見てやろう、と云うくらいの行動が必要であります。新幹線に乗らなくてはならないのに乗れない、家族で出かけなくてはならないのに勇気がでない、その不安症状は様々ですが、対人恐怖であろうと不安神経症であろうと、症状の柱は「不安感」です。
 
 決して想像した最悪の状況にはならないのが、この本態であり、自らが起こした思想の遊戯であったと最後にわかることになるのです。これは、不安神経症やパニック障害の人たちが救急車で実際に運ばれたことがある人ならご理解ができるでしょう。
 救急車が到着するころには軽快しており、実際に病院へ運び込まれようものなら、不愉快な扱いを受け、不愉快なまま帰宅することにもなります。

 つまるところ、
心を変えてから、治してから、行動するのではありません。まったく逆なのですね。
行動していくうちに、心が変化していき、治っていくもの。
これを知り分けて生活してくのと、そうでないのとでは全くこの先、見えてくる景色も異なるものと私は思います。

 「外装を整えれば内装おのずから熟す。」
少々具合が悪くとも、人から「具合はどうか?」と聞かれたら、元気です。と答えることです。
ここで具合が悪い、と答えてしまうと、ホントに具合が悪く感じるもの。
服装も整えておけば、心もグッと引き締まってきます。

 さて、今日は、これくらいに。


 
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by mental-online99 | 2014-07-20 22:07 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)
恩師病院長が80歳頃だっただろうか、
「命とはこんなにも短いものだったのか」、と仰ったのを覚えています。
80歳を超え、全力で「今」を生きてきた言葉には深く重みがあり、若輩の私はまるで冷や水を浴びせられたような気分にもなったことを昨日の事のように思い出します。

 今は亡き米国経営者は云います。
「今日が自分の最後の日であったとしたら今日何をするか?」
彼は毎朝、鏡の前で自分に問いかけたと云います。

 私もこの言葉を初めて聞いたときは、「しまった!」と思いました。
皆さんなら如何でしょうか?今日が最後、あるいは来月が最後、と思えばどのような生き方をされるでしょうか?
生き方もこのように考えると、ぐっとリアルに必要なことが見えてくるはずです。
また、意外とそれが今本当に必要な事でもあったりします。

 一方、「無常」と云う言葉があります。
なんか寂しくも悲しい言葉ですね。しかし、桜の花が咲くときも「無常」、栄転も「無常」、生命の誕生も「無常」。
どれだけ幸運に恵まれていても、或はどれだけ不幸のどん底でも、この状態がいつまでも続くものではありません。思い通りにもなりません。

 そして人生ひとつとして無駄はありません。
人は挫折や過ち、失敗、を繰り返しながら生きて、その体験がさらに命の根を太くし育っていくもの。
あなたも私も、お互いに今日より若い日はありません。

 粘って行こうではありませんか!


 
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by mental-online99 | 2014-07-15 20:13 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)
 「病院で涙ながら感謝の意を戴き、親御様ともに握手を交わし業務を終了。」

  これは、ある搬送スタッフからの報告である。


  私たちの約半分を占める、病院搬送。これには今問題となっている脱法ハーブ, 脱法ドラッグ、アルコール依存、統合失調症などいわゆる本人自らが病院に行かない、家族ではどうにもならない、など難解な問題が主であります。

  私たちの病院搬送業務は一期一会が多い。
出来れば私たちを二度と利用しない状況になるのが望ましいのでありますが、二度三度も現実としてあります。

  現場搬送スタッフの多くは、まず本人を保護する直前数時間前に依頼者であるご家族と最後の打ち合わせを行う。接触方法は依頼者であるご家族の希望を優先し行うのですが、基本的に本人への接触はお声掛け、説得から入ることが多い。もちろんこれは、その当日の本人状況にもよりますが、可能な限り説得を続ける。

  ある搬送スタッフは云う。
脱法ハーブ、脱法ドラッグ、アルコール依存症などの場合、私たち体育会系スタッフ四人が本人の目の前に現れることにより、次のような展開になることが多い。

第一に、抵抗しても無駄とする諦め。
第二に、見ず知らずの第三者が自宅に来るほど大変な事態になっていたのか、とガラッと空気が変わる。
第三に、本人からすると「助かった 、これで辞めれる」など病院に行く言い訳や筋(大義名分)が通る、とする心理が伺えるように思う。接触時しばらくは暴言や抵抗こそあるものの、最終的にはこのような展開をもって病院に向かうケースが多い。

  「必ず治して来るからな~!」
と、病棟に入っていく彼ら、彼女たち。
短い期間ではあったが、共に戦った親御様たち。
もはや一期一会の戦友である。

  その別れと云うのは、もう二度と会うこともないであろう、だからこそ筆舌ではいえない感情が込み上げてくる。


  しかし、そんな感情に浸るっている間も無く次の電話が鳴り、襟元を正し直し、次なるご家族と向かい合う毎日なのであります。



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by mental-online99 | 2014-07-09 07:52 | 薬物依存症 | Comments(0)

メンタルヘルスONLINE スタッフの徒然日記。不安障害・鬱、アルコール依存症などを語ります。


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