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- 神経症の人たちへ -

 「泳げるようになったらプールに入ろう」

 これではいつになっても泳ぐことは出来ない。不安ながらも水に入り試行錯誤しながら、やがて泳げるようになっていくもの。しかし、現在の傾向としてこの「泳げるようになったらプールに入ろう」とする考えが多いように思う。何事も知的に解釈するのではなく、自らの殻を破って実際に行動を起こしてこそ、その技法なりが血肉になっていくのであります。

 不安神経症や鬱を例にとって話してみたい。
電車に乗ろうとする気になれば乗ってみよう、やる気になればやってみよう、、これでは不安本位な生活になってしまう。私たちが成さねばならぬことは、この徹底して不安を受容した行動本位にあります。不安があっても必要ならビクビクハラハラでも電車に乗らなくてはならない。この繰り返しなくては心の解決にはつながっていかない。

 これらの行動本位すなわち、不安に入り込み、不安と一体化となった時、不安症状を感じるのであるが、不安は不安でそれだけ、心臓がおどるならバクバクだけ、となってしまうところに心が至って行く。次に不安があっても反対しない、気分が落ちていてもそれに反対しない心がゆっくりではあるが形成されてくる。恩師、鈴木知準博士はこの心の状態を、「現在に成り切る、その不安の現在になってしまうこと」、と説明している。

 また一方で、神経質は我が国において時にマイナスなイメージがあるのですが、私はまったく逆なる意見を持つ。これは、大げさに云えば神経質な「素質」がこれまで日本を先進国に導いてきた。小さく云えば神経質だからこそ対人的にも気を配れて、おもてなしは勿論、自分の健康管理、ひいては仕事も細部まで徹底した管理ができるのであります。
 従って、神経質であることをむしろ誇りに思わなければならない。言い換えれば、まるで忍者のように鋭敏な感性を持って生まれたことを武器に、神経質を「生かす」生き方、働き方をして大いに人々の役に立っていただきたいと切に願うばかりです。

 不安神経症や神経症うつの解決には、まず前述のように「神経質=弱さ」ではなく、神経質でよかったと自らが思えるところからすべてが始まると云っても良いと思う。神経質で良かったと思えた時、不安を受容する心の態度に心が至り得る。これは神経質に反対しないことにより、不安があっても問題とならない心的態度の図式が徐々に形成されていくと考えられます。
 なぜなら、神経症の人たちは元来、人より完全欲、生存欲、他様々な欲望が極めて強いあまり、その心の裏側では常に不安心を敏感に感じやすい性質があるからです。これを認める受容すると云うことは、「不安心はあって当然である」と云うことにつながるからです。

 現在、なぜこれほどまでに苦しく辛いのか?不安感が強いのか?
大切なのはお薬でもない、医師でもない、そして我々でもない。
あなたに必要なのは、自らが起こしている心のからくり、その本態を知り分けること。ここからが本当の心の解決に向けたスタートであると私は感じます。もっと自分を信じてあげてください。

 以前、ある大学病院の医学博士が言行録の中に「神経を太くすること」と題して、なかなか面白いことが記されていますのでご紹介したい。

『私がかつてそうでしたが、神経質な人がよく陥る間違いは、デリケートな感受性が、そのまま自分の弱さに通じるもののように早合点しやすいことです。私が森田博士の指導を受けていました時、「針一本落ちていてもこれを感じ取れるような神経をもっていなければならない」と教えられた』

 つまり博士は、「神経質は天与の賜物であり、これを邪魔にしないでこれと仲良くなれ」、と説いておられる。

 また、平成の現代の我々も説く。
「心は庭と同じ。手入れを怠ればすぐに雑草が生える。これを言葉で云えば数秒だが、やるのは毎日」。平成のこのストレス社会、心の洗濯も、意識的にしていかないといけない時代なのですね。

 



不安障害(不安神経症), パニック障害・各種神経症の症状と心構え, メンタルヘルスONLINE
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by mental-online99 | 2014-05-31 23:03 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)


  「敵は、患者本人ではなく、自らの心であった」

薬物依存(脱法ハーブ・脱法ドラッグ)、アルコール依存症など患者(以下、対象者)と長年月にわたる悪戦苦闘の末、一区切りあるいはすべてが終わった後、支えてきた家族が最後に漏らす言葉であります。

  この支えてきた家族の心の裏側には、治療が必要にも関わらず対象者を医療につなげれなかった自らの戒めなどが見て取れます。ある一例では私たちが専門の病院に同行し、いざ医療保護入院(いわゆる強制入院)が確定するまさにその時、主治医から「お父様、お母様どうされます?」、、の一言、決断の場面。横では、息子、娘さんが「必ずもうやらないと約束をするから...」などと嘆願する。閉鎖病棟、保護室などの説明をされた直後のこの大事な局面で「もう一度この子にチャンスを..」と心が揺れる親御様、配偶者も少なくない。家族、そしてお腹を痛めた息子娘さんであれば当然の情でありましょう。

  しかし、脱法ハーブを含む薬物、アルコール依存症はそんな甘いものではない。底を打ってはじめて事の重大さを再認識するケースも多い。この底とは、経済的はもちろん、対象者を含む家族の心身悪化、警察沙汰等による、もはや薬物(アルコール)も買えない使用できないところまで破壊的に追い込まれた状況を云います。もはや底を打つときには、何もかもが遅い場合もある。従って、底を打つ前に何らかの一歩を踏み込まなければならない。その為には、冒頭で述べた多くの家族の言葉、、「敵は患者ではなく、自らの心であった」、を思い起こしていただきたい。

  この言葉は決して飾り付けたものではなく、多く悪戦苦闘を繰り返し遣り尽くしたあとに残された言葉であります。また、最後に、このような状況になっているのは、決して家族(親御様、配偶者)の責任ではありません。

  よく、育て方が悪かった、接し方が悪かった、などと自責をされる家族もお見受けしますが、そうではありません。むしろ、「家族の恥だ」、と思いこんで行動を起こせない、オープンに話せないご家族がいらっしゃれば、是非そのあなた自身に向かい合っていただきたいと思います。現在悲しいことは、依存症家族をもつことではなく、孤独に悩むことなのです。

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バラがきれいな季節になりました。明日は関東地方は雨との予報。ぐっと冷え込み寒暖の差も大きいようです。
風邪など召されぬよう気を付けてください。

 
 


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by mental-online99 | 2014-05-20 20:08 | アルコール依存症 | Comments(0)
  毎日多くのご家族からお電話を戴く。
その多くのご家族は、配偶者や親御様たちであります。
「行政に相談してもまったくらちがいかない」、「本人の意志が無いと受診ができない、、」、とその内容も深刻です。

  少し冷静に考えたい。
誤解を恐れず申せば現場経験の無い所謂窓口相談レベルで、強制入院や奥深いリアルな助言ができるのか、、。ある意味、この分野の問題は相談する側(結果を求める側)、及び相談される側(結果を出す側)ともにリスクを取らない限りその本当の答えは出てこないであろう。

  私どもは毎日多くの電話をとっているが、中には相談者側がリスクを全く取らないで100%(パーフェクトな)解決を求めてくる人、無料ですべてを解決しようとする人、失敗したらどうする責任をとってくれるのか、入院後おたくから紹介された病院で悪化したらどうするんだ、ボランティアを呼んでくれ、病院代が払えない人はどうするんだ、と逆切れされて会話にならないケースも少なくない。我が国ゆとり社会の結果であろうか.....と私たちはため息を漏らす。

  いわゆる「患者(以下、当事者)」と呼ばれるべき当事者の人たちは共通して病院にはかかっていない事例が90%以上を占める。本来であれば、直ちに医療かからないとならないのであるが、多くの場合が困難を要する。その理由としては、

1.当時者に病識がない、通院や入院への動機づけがなされていない
2.通院(入院)履歴はあるが、再燃を繰り返す
3.強制入院へ移行する決断が親(配偶者)としてできない、勇気がない
4.経済的問題
5.その他家庭内問題、がある。

  今日は、違った角度からこれらの依存症(薬物依存、脱法ハーブ・脱法ドラッグ、アルコール依存症など)をお話してみたいと思う。今私の思ったままに書いていくので駄文はご容赦戴きたい。

  まず、毎日のようにあらゆる当事者たちの自宅現場を見てきて思うのは、その依存症者を支えてきたご家族の心理状態、生活環境の悪化である。そこには、長年月にわたる当事者と悪戦苦闘してきた親御様や配偶者の憔悴しきった姿があります。

  当事者に対しやるだけのことをやった、と思うことができるのであれば、当事者が医療にかかる、かからないに関わらず、あなた自身の本来の生活を取り戻していくことが重要であります。当事者が家に居る居ない、飲んでる飲んでない、機嫌が悪い悪くない、、、などに振り舞わわれることのない生活をどうすれば取り戻せるのか、いわゆる「支える側」の心理の修正です。そして当事者主導の生活からあなた主導の生活に是が非でも移行しなくてはなりません。

  これらを修正することにより、あなた自身の生活の質を改善させ、一方で当事者に逆に依存しないようにすることで共依存が破壊され当事者の過剰反応が逓減されていく。従って、結果として僅かではありますが良い意味で生活の修正を生み出しているようにも思う。

  しかし、これだけで良いと云うわけではありません。これらを通って最終的には、大切な家族を守るべき「家族の再生」が生まれるのです。これらをブログで説明するのは困難ですが、云わんとしている事は、当事者をこれまで支えてきた「あなた自身」のストレスが軽減され、最終的には殻を破り、家庭の主導権をあなたが持つことが第一なのです。

  支える側が共倒れになってはならない。
今は、当事者を中心とした生活習慣になっていると思いますが、少しでも本来のあなたを取り戻すことにより、周りも動き出すと思っていただいても良いと思います。上手くは書き綴れませんが、いかなる場合であっても、あなたの心身の安全が大切でもあり、その安全が当事者以外の家族(お子様など)、そして最終的に当事者を救うことに繋がっていくのです。
 
  乱暴に申し上げれば、当事者に悩まされているのも、あなた。家族を守っているのもあなた。アルコールや薬物を購入する経済的支援をしているのもあなた、問題を起こした当事者を守っているのもあなたなのです。

  人生、毅然とした態度決断が必要な「一瞬」もあるのです。

 
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by mental-online99 | 2014-05-06 18:41 | アルコール依存症 | Comments(0)

メンタルヘルスONLINE スタッフの徒然日記。不安障害・鬱、アルコール依存症などを語ります。


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