カテゴリ:薬物依存症( 4 )

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 ↑  新大阪駅 秀吉公馬印 「千成びょうたん」

  我々の業務は、都道府県の警察署からご紹介戴くことも少なくない。逆説を申せば、だからこそ病気の疑い有る対象者を医療に繋げることができるのかもしれない。

  最近は、ドラッグ(薬物依存)の疑いあるご相談が再び増えてきたように思う。我々も現場に急行しては、その化学的なにおいが充満する中で対応に追われることも屡々です。特に危険ドラッグの場合、本人が今は心身何ともなくとも急変する事例も多く、若くしてその生命を落とす現場を見ては、改めて薬物の恐ろしさを思い知らされます。もちろん、アルコール依存症の現場も同様である。
 
  薬物依存そしてアルコール依存で、我々にご家族が相談に来る頃には、既にその家族も精神的になんらかの支障をきたしていることが多い。御家族が本人から深夜、早朝とわず就寝中に起こされる。お金の無心があって喧嘩になる。そしてアルコールであれば、お酒を買いに走るのも家族。また、その症状の対応に追われるのも家族である。その苦悩、心理的な負担は大きい。依存症問題が夫婦であれば、夫あるいは妻の連続飲酒が原因でその離婚率は極めて高いことも現場対応をしていて痛感する。いわゆる、一般精神科目とはまるで異なるところに依存症問題は位置しているのであります。

  話は変わりますが、先日、お世話になった警察官と街中でお会いしました。聞けば、間もなく勤務地を移動するとのこと。梅も散ったこの時期、転勤の季節、、。お世話になった5年と云うのはあっというまでありました。あらためて、警察署員をはじめ、我々の要請を快く受け入れていただいている医療機関の皆さま、感謝、感謝であります。

  我々、精神科救急搬送は、対象者を一刻も早く病院へ搬送することが目的でもある。一方で、100人100色の家族背景の中、病院へ繋げることに不安する御家族をどうすれば背中を押してあげれるのか、、と、いつも考えさせられる。
 
  又、人には言いにくい、自分たちの家庭内の問題を、こうして他人の我々に包み隠さず話していただくご家族の皆さまにもお礼を申し添えたい。ありがとうございます。

別れと希望が交錯するこの季節。
襟元を正す気持ちで業務に向き合いたい春であります。


アルコール依存症・薬物依存症、人格障害・統合失調症の精神疾患の病院施設搬送は、メンタルヘルスONLINE

by mental-online99 | 2016-03-20 23:54 | 薬物依存症 | Comments(0)
 「病院で涙ながら感謝の意を戴き、親御様ともに握手を交わし業務を終了。」

  これは、ある搬送スタッフからの報告である。


  私たちの約半分を占める、病院搬送。これには今問題となっている脱法ハーブ, 脱法ドラッグ、アルコール依存、統合失調症などいわゆる本人自らが病院に行かない、家族ではどうにもならない、など難解な問題が主であります。

  私たちの病院搬送業務は一期一会が多い。
出来れば私たちを二度と利用しない状況になるのが望ましいのでありますが、二度三度も現実としてあります。

  現場搬送スタッフの多くは、まず本人を保護する直前数時間前に依頼者であるご家族と最後の打ち合わせを行う。接触方法は依頼者であるご家族の希望を優先し行うのですが、基本的に本人への接触はお声掛け、説得から入ることが多い。もちろんこれは、その当日の本人状況にもよりますが、可能な限り説得を続ける。

  ある搬送スタッフは云う。
脱法ハーブ、脱法ドラッグ、アルコール依存症などの場合、私たち体育会系スタッフ四人が本人の目の前に現れることにより、次のような展開になることが多い。

第一に、抵抗しても無駄とする諦め。
第二に、見ず知らずの第三者が自宅に来るほど大変な事態になっていたのか、とガラッと空気が変わる。
第三に、本人からすると「助かった 、これで辞めれる」など病院に行く言い訳や筋(大義名分)が通る、とする心理が伺えるように思う。接触時しばらくは暴言や抵抗こそあるものの、最終的にはこのような展開をもって病院に向かうケースが多い。

  「必ず治して来るからな~!」
と、病棟に入っていく彼ら、彼女たち。
短い期間ではあったが、共に戦った親御様たち。
もはや一期一会の戦友である。

  その別れと云うのは、もう二度と会うこともないであろう、だからこそ筆舌ではいえない感情が込み上げてくる。


  しかし、そんな感情に浸るっている間も無く次の電話が鳴り、襟元を正し直し、次なるご家族と向かい合う毎日なのであります。



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by mental-online99 | 2014-07-09 07:52 | 薬物依存症 | Comments(0)
  「危険ドラッグなど薬物依存,アルコール依存症、受診あるいは入院させるには、家族は何をもって判断すればいいのか?」

  私どもは次のようにお答えしている。
あくまでその判断はご家族でありますが、日常生活に明らかに支障をきたしている状態。その状態とは、薬物をしている当事者はもちろん家族にまで心身共に支障が出てきている状態を示します。ある家族は当事者に悩むあまり、不眠や抑うつ状態になったり、残された子供たちまでが当事者におびえ動揺している状態などその家庭環境は様々です。

  危険ドラッグを継続的に使用していると、その多くは、統合失調症に似た症状(幻聴、被害妄想、奇異な行動など)が発現し、ひどくなると警察や救急車を呼ぶことになる。嘔吐やカラアゲ(嘔吐はしないがオエオエと吐くような症状)、瞳孔が開く、目が座る、大声で叫ぶ、制止する家族を払いのけ薬物を買いに行くなど脱法ハーブの症状も様々であります。

  私どもが毎日のように病院搬送する中で経験的に云えることは、脱法ハーブなど依存症にまで深く陥った場合でも、症状には波があるため(うねりがある為)、正常に戻った、治ったのではないか、と思わせる時間(期間)があることです。この時間帯に当事者と話せばきちんと対話もできるし、当事者も「辞める」と家族に断言する場合もある。すると家族はその当事者のもっともな話を「もう一度チャンスを与えてみよう、信じてみよう」と云ったことを繰り返されているケースも少なくない。

 しかし、「進行性の病気」と考える薬物依存症は、「今度こそ辞める」とした気持ちで辞めれるような甘いものではないことを私たちは現場経験で知っている。最終的には、上記の通り、家族が判断しなくてはならない。その判断とは、相談し尽くしてきた家族であれば理解ができるはずであります。

 大切なことは仮に入院加療や外来治療が始まって途中で当事者が投げ出したとしても決して驚かない、悲観しないことです。投げ出すことは折り込み、投げ出したことイコール決して人生の終焉ではありません。これが依存症の治療であると知り分けると同時に、まだ治療のレールに乗っていると考えることが肝要です。

 危険ドラッグなど薬物依存の当事者に悩まされているのもあなた。家族を守っているのもあなた。脱法ハーブなど薬物を購入する経済的支援をしているのもあなた、問題を起こした当事者を守っているのもあなたなのかもしれません。

 

  「敵は患者ではなく、自らの心であった」

  この言葉は長年当事者の治療に結び付けることが出来なかった家族自身の心の戒めであります。この言葉は決して飾り付けたものではなく、多く悪戦苦闘を繰り返し遣り尽くしたあとに残された言葉であります。また、最後に、このような状況になっているのは、決して家族(親御様、配偶者)の責任ではありません。

  よく、育て方が悪かった、親の責任、などと自責をされる家族もお見受けしますが、そうではありません。むしろ、世間体を気にして「家族の恥だ」、と思いこんで行動を起こせないご家族がいらっしゃれば、是非その「あなた自身」に向かい合っていただきたいと思います。それこそ「敵」は依存症の当事者ではなく、孤独に悩む「あなた」なのかもしれません。


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by mental-online99 | 2014-06-27 15:54 | 薬物依存症 | Comments(0)
  脱法ハーブ、脱法ドラッグについて思うところ書いてみたいと思います。

  このところ、脱法ハーブ(脱法ドラッグ)による相談が多い。中でも深刻なのが、事件を起こしてしまった場合である。事件で多いのが傷害事件、死亡事故である。新聞やニュースで報道されているのは氷山の一角であると思われ、車で人をひいてしまった死亡事故、また本人の容体が突然変わっての死亡など多岐にわたる。
 
  依存症にまで至った人たちの多くは、何度も「今度こそ辞める、信じてくれ」と家族に誓う。
しかし、これで終わらないのが「依存症の怖さ」である。薬物を覚えた脳はそう簡単に辞めさせてはくれない。もちろん話し合いや説得でも困難を極める。
 
  依存症者の行動は、ご家族から以下の報告が多い。

・借金をしてでも薬物を買い求める。その借金も家族が知らない場合が多い。
・家族の制止を振り切ってでも薬物を買いに走る。
・自ら病院へ行ったとしても続かない。仮に自ら入院したとしてもその入院形態は  「任意入院」であるがため、本人が「今日帰ります」と云えば病院も止めることはできない。従ってまた振り出しに戻る可能性が高い。
・暴力、暴言、窃盗に発展する場合もある。
・多くの依存症者は、不眠、食欲不振、目が座る、急に話さなくなった、嘔吐を繰り返す(または嘔吐のような行為を繰り返す)、血圧の上昇 180/110 脈拍120くらいが多い
・朦朧としている、被害妄想、幻聴、幻視が確認される。

  思うがままに書いてみたが、底を打つまで待つというのも賛否両論ある。
確かに底を打って、良い方向に心が向かえば良いが、我々の経験則ではむしろ悪化し事件事故に至っている事象が多いと思われる。

  本人の容体が突然変わり、たとえば意識がなくなり泡を吹いて倒れて救急車で運ばれるといったケースも少なくない。警察が駆けつけての入院をさせるケースもある。しかし、冷静に考えてみれば、これらの場合、その居住地、地域を包括する病院での応急的処置になるため、肝心な薬物依存、薬物中毒としての専門的治療は行われないのが一般的であろう。

  ではどうすればいいのか。
脱法ハーブなど依存症者から「次は必ず辞める」とした言葉が出てきてたならば、これすなわち、薬物依存症ならではの発言と知りわけ、信じる信じないではなく医療へ結び付けること、薬物を絶たせる環境を医療を通じ与えることを第一に考えなくてはならない。

  書店等では、本人に関与しない、自己責任をとらせる、底を打たせるなどその対応法は様々である。
しかし、依存症者の病院搬送に関わっている我々がみてきた現場には、家族にそのような余裕は微塵も感じられないのが実際である。
 
  あるご家庭では本人に責任を認めさせること、病院へ自ら行かせる動機付けは困難を極め、そこに至るまでの経済的負担、心理的負担が家族を精神的に追い込み、交通死亡事故の賠償問題が間接的に降りかかった。

  このように今、まさに新たな事件事故が降りかかったとする家族が私たちの門を叩かれ、「ちょっといいでしょうか....」と相談されてきているのが実際であります。

  

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by mental-online99 | 2014-06-16 17:36 | 薬物依存症 | Comments(0)

メンタルヘルスONLINE スタッフの徒然日記。神経症 不安障害・鬱(抑うつ)などを語ります。


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