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腸内の善玉菌が少ないとうつ病リスクが高いことを明らかに - ヤクルト 

 国立精神・神経医療研究センター神経研究所と功刀 浩部長(疾病研究第三部)とヤクルト本社を中心とする共同研究グループは、43人の大うつ病性障害患者と57名の健常者の腸内細菌について、善玉菌であるビフィズス菌と乳酸桿菌の菌数を比較したところ、うつ病患者群は健常者群と比較して、ビフィズス菌の菌数が有意に低いこと、さらにビフィズス菌・乳酸桿菌ともに一定の菌数以下である人が有意に多いことを世界で初めて明らかにしました。この結果から、善玉菌が少ないとうつ病リスクが高まることが示唆されました。
 本研究成果は、オランダ時間2016年5月24日に科学雑誌Journal of Affective Disordersのオンライン速報版で公開されました。


1.研究の背景
 現在、うつ病患者数(治療を受けている人数)は70万人と推定されています。また、治療を受けていない罹患者はその3~4倍存在するとされ、うつ病は国民の健康をおびやかす重大な病気の1つです。
 うつ病の原因として、これまでに神経伝達物質の異常、ストレス反応における内分泌学的異常、慢性炎症などの生物学的な要因が提唱されてきましたが、いまだに不明な部分が多いのが現状です。 ヒトの腸内には100兆個、重さにして約1~1.5kg、1000種類以上もの腸内細菌が生息し、食物からの栄養素の吸収、ビタミンやタンパク質の合成、体外からの新たな病原菌の侵入の防止など、多岐にわたる重要な機能を担っています。近年、腸内細菌は脳の機能にも影響を与えること(腸—脳相関)を示唆する研究結果が次々に報告されており、うつ病の発症要因として注目されるようになってきました。
 うつ病の動物モデルを用いた検討では、うつ病様の行動異常やストレス反応において腸内細菌の関与を示唆する報告が増え、ビフィズス菌や乳酸菌といったいわゆる善玉菌はストレス反応を和らげる可能性が示唆されています。また、健常者でのストレス症状に対するプロバイオティクス(生きた善玉菌を含む食品)の効果も報告され始めました。
 しかし、これまでうつ病患者を対象として腸内細菌の構成や菌数を健常者と比較した研究は殆どなく、ヒトうつ病患者の腸内細菌において、善玉菌が多いか少ないかなどについての具体的なエビデンスが求められていました。
 

2.主な研究結果
 本研究では、43人の大うつ病性障害患者(米国精神医学会の診断基準DSM-IVによる)と57名の健常者を対象としました。結果は以下のとおりです。

(1) ビフィズス菌および乳酸桿菌の菌数とうつ病リスク
 被験者の便を採取して、ビフィズス菌と乳酸桿菌(ラクトバチルス)の菌量を16S rRNA遺伝子の逆転写定量的PCR法によって測定し比較しました。菌数の測定はそれぞれの検体が患者のものか健常者のものかについて測定者に知らされない状態で行われました。その結果、ビフィズス菌及びラクトバチルスの菌数のそれぞれの単純な比較では、大うつ病群は健常者群と比較してビフィズス菌が有意に低下しており(P = 0.012)、ラクトバチルスの総菌数も低下傾向を認めました(P = 0.067)。

 ROC解析(Receiver Operating Characteristic curve、受信者動作特性曲線)によって、大うつ病群と健常者群とを区別する最適の菌数(カットオフ値)を求めました。その結果、ビフィズス菌がカットオフ値(便1gあたり109.53個)以下の菌数だったのは大うつ病群で49% (21/43人)であったのに対し、健常者群では23% (13/57人)でオッズ比3.23 (95% 信頼区間 1.38–7.54, P = 0.010)でした(図1)。

 すなわち、1g当たりの便におけるビフィズス菌の数が109.53個以下であると大うつ病性障害を発症するリスクがおよそ3倍になることが示唆されました。ラクトバチルスでは、カットオフ値(便1gあたり106.49個)以下の菌数であったのは大うつ病群で65% (28人/43)、健常者群では42% (24/57人)であり、オッズ比2.57 (95% 信頼区間1.14–5.78, P = 0.027)という結果を得ました。従って、ラクトバチルスの数が便1gあたり106.49個以下であると大うつ病性障害を発症するリスクがおよそ2.5倍になることが示唆されました(図2)。

図1 大うつ病性障害患者と健常者のビフィズス菌の比較
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図2 大うつ病性障害患者と健常者の乳酸桿菌の比較
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 以上から、ビフィズス菌や乳酸桿菌の両者とも菌数がかなり低いとうつ病リスクが高くなることが示唆されました。
 
(2) 過敏性腸症候群とビフィズス菌と乳酸桿菌の菌数
 被験者のうち、過敏性腸症候群※を合併している人の割合は、大うつ病群では健常群に比較して有意に多いことがわかりました。すなわち、健常者群では12%であったのに対し、大うつ病群では33%でした(オッズ比3.45、95% 信頼区間 1.27–9.29, P = 0.014)。さらにビフィズス菌やラクトバチルスの数が上記のカットオフ値より低い人は、過敏性腸症候群症状をもつリスクが高いことが明らかになりました(ビフィズス菌:オッズ比2.68、95%信頼区間 1.00–7.17;ラクトバチルス:オッズ比2.84、95%信頼区間 1.02–7.82)。以上から、過敏性腸症候群は、ビフィズス菌やラクトバチルスが少ないことと関連することが示唆され、これまでの報告を支持する結果となりました。
※過敏性腸症候群:はっきりとした原因がないのに下痢や便秘などの便通異常をともなう腹痛や腹部不快感が慢性的にくり返され、不安やストレスを感じると症状が強くなる疾患で、腸内細菌が関与している可能性が指摘されている。

(3) 乳酸菌飲料・ヨーグルトの摂取頻度と腸内細菌の関係
 腸内細菌の構成には日常の食生活が深く関係しています。ビフィズス菌や乳酸菌を多く含む乳酸菌飲料、ヨーグルトなどの摂取頻度と腸内細菌の関係を調べたところ、大うつ病性障害患者の中で週に1回未満の摂取の人は週1回以上摂取習慣がある人と比較して腸内のビフィズス菌の菌数が有意に低いことがわかりました(図3)。

図3 大うつ病性障害患者のヨーグルトや乳酸菌飲料の摂取頻度と腸内のビフィズス菌の比較
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 腸内の善玉菌が少ないとうつ病リスクが高いことを明らかに
by mental-online99 | 2016-06-10 12:05 | うつ病 | Comments(0)

想い

  ある精神科、内科医師として有名な方が、とんでもない発言としてNEWSに取り上げられています。
http://news.livedoor.com/article/detail/10244402/

  実は、当社も数年前にこの医師から名指しの誹謗中傷発言をされた事がありました。
(※当社はその当時も一切、誹謗中傷されるような事は致しておりません。)

  有名人からの名指しによるフェイスブック、ツイッターからのリツイートはすごいものです。私の予想を遥かに超える医師を支持する人たちからの中傷メールがあり、これが炎上と云うものか・・・、と感じました。当時、火消しで大変な思いをした記憶が今でもありありと残っております。(笑)

 
  さて、私どもにご足労戴いてい多くは上述のNEWSではないが、すでに疲労困憊され自責の念をもっておられる親御様も多い。その大多数が「私の育て方が悪かった為に、精神疾患となってしまった・・・」と煩悶を長年されている。
  幼少期までさかのぼって原因を追究したり、過去をどうこう述べても解決には至らない。まずは実際に今、目の前で起こっている問題を一つ一つ丁寧に解決せねばならない。
 
  たとえばアルコール依存や薬物依存症であれば、まず第一に何が必要なのか?
それは当事者に対し、1日でも1時間でも早く、アルコールや薬物ができない環境を作ることであります。これには医療機関でしかできない。これはこれまで支えてこられた家族の心理状態を守る意味でもあります。



  視点論点はずれますが、「病気を診ずして、病人を診よ家族を診よ。」

  私的に申せば病気や障がいだけ見て判断するものではない。その当事者及び家族の背景、言い出しにくい思い、経済的な不安等々、そのカルテの裏側にある見えないものを診ることを願ってやまない。それだけに、今日の報道は、障がい者を支えるご家族を思うと極めて強い憤りを感じます。

 


統合失調症・うつ病やアルコール依存症・薬物依存症専門の病院施設搬送は, メンタルヘルスONLINE
http://www.mental-online.co.jp/utsu.html


◆以下URLにて、皆さまのご感想・ご意見・ご要望などをお待ちしております。

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by mental-online99 | 2015-06-18 21:27 | うつ病 | Comments(0)

「うつ」の予防と対処法

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 ↑ 誰かの歌にありましたね、「にりんそう」です。

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 ↑ 雨のノースポール。キク科の花

 
  さて、今日は「鬱, うつ」について考えたいと思います。

  4月になり、新入社員となった人、転勤で住いが変わったご家族、そして出会いと別れ、、、この時期いろんな人間模様があります。そんな中で、慣れない環境や対人関係によって、気分も滅入ってきてしまうことはよくありますよね。
 

  私たちは生きていく中で、何度も凹み、落ち込み、悲しみを繰り返します。残念ながら、これらの苦しみ悲しみから逃れることはできません。この時、苦しみや悲しみを感じたときに「こんな自分ではだめだ、しっかりしろ!」と自分に鞭打って、襲ってくる憂うつ感情に対して追い払おうと否定的になることがあります。

  少々重いですが、たとえば、身内の不幸などがあった場合、
「家族が亡くなったのは私の責任だ、あの時の苦しみをどうして気付いてあげなかったのだろう、私はダメな人間だ・・・」、、、と云った感情。

  この感情は、家族を亡くして十分悲しいのに、加えて自分の事まで否定的になっています。これでは二重に苦しむ結果となります。この否定的感情に気付けないのが、うつの特徴。
  

辛いときは、辛いままに、悲しいときは、悲しいままに、感情を否定したり抑制しないことが大切。
決して、”傷ついたときと同じ状況”に戻らないことが重要な鍵となります。


  ではこの不安苦痛、悲しみから早期に立ち直るにはどうすればいいか。ざっとまとめておきましょう。

1.太陽の光を浴びる。日光浴をする、(基本中の基本です)
2、苦痛や悲しみが有ることは、ごく人間らしい反応として否定しないこと。人間として当然の反応と認めること。
3.悲しみ等、ころころ変わる様々な感情を持つ自分を許すこと。これも人間として当然のこと。
4.人間らしい自然な感情を外に出すこと。人に話したり、泣いたり、自分を抑え込まないで外に出すこと。
5.辛いときは、自分で抱え込まず、友人や家族など人を頼ることも大切。
6.ある一定時期が来れば、前進するための問題解決に取り組むこと。
7.「〇〇でなければならない、〇〇であるべき」、と云った「べき主義」の思考を減らしていくこと。
8.ストレス性うつ、など「来たな」と思ったら、早めに散歩など外に出ること、運動すること。


  一方で、このうつ、不安や悲しみにも、いわゆる前述にある普通の反応とは異なった「病的」な反応があります。次のような場合は、無理せずに医療機関に相談することです。

1.楽しさや喜びがまったく感じられないほど絶望感が強い。無気力が続く。
2.2週間以上、仕事ができない。体がついてこない。
3.自殺願望が強い。
4.眠れない。食欲が無い、体重も減少してくる。
5.落ち込む理由もない、原因がないのに鬱状態がひどい。

  また、うつのときに周囲のご家族が本人を「元気づける」、と云った場面を目にしますが、これは全く救いにならない。むしろご本人は、より苦痛に感じるのが一般的であります。「辛いと思うな、気の持ちようだ、しっかりしろ、情けない、薬なんか飲むな、」、と云うのは論外であります。


  以上のように私たちは、不安になることもあれば、悲しむこともある。また、家族にでさえも時に憎んだり、不本意なことを考えてしまったりと、感情や欲求、不安は操作ができません。それが人間の感情です。感情は天気のようにコロコロ変わって当然なのです。したがって、感情や欲求がいろいろな形で「あっても良い」ことを認めることがうつの予防になってきます。

 感情や欲求、不安と云うのはごく人間らしい反応。
こんな感情あってはならない、こんなことを考えてはダメだ、などと否定せず、こころは流動変化していくものと知り分けることが大切です。


  「最も深くかがむ者が、最も高くジャンプができる」

  うつにしろ、神経症にしろ、どんな疾患であれ、
じっと身をかがめて力を蓄えなくてはならない時期って云うのは、多くの人が経験するもの。
はたから見れば、「なんだ、病気か」と上から目線で見られるかもしれない。
でも、このような草の根を食うような経験あってこそ、後々「人間の深み」も増す。

  じっと身をかがめる時間は、いわゆる修正の時間であり、心の財産を作る時間。

   思えば、「辛」も「幸」も横棒一線の違い。修正の範囲内である。
 

うつ病や統合失調症・アルコール依存症・薬物依存症専門の病院施設搬送は, メンタルヘルスONLINE
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by mental-online99 | 2015-04-10 20:12 | うつ病 | Comments(0)
「暇は無味無臭の劇薬である」、と云う言葉があります。


 平成の現代に至っては、子供成人、高齢者ともに孤独が多い。従って暇も多くなる。

確かに学校や会社に行けば、多くの生徒や同僚もいる。ここで云う孤独とは「心理的な孤独」。学友や同僚とは云っても仮面をかぶっているケースも多く、その孤独感は鬱を伴うこともしばしばであります。


 考えるに抑うつ状態の多くは「心理的孤独」である。

また、このところ児童の「うつ」相談も多い。これは、ご両親が共働きや何らかの理由で孤独に家に居るケースが多く、また今の世のネット、スマートフォンなどのバーチャルコミュニケーションが追い打ちをかける。これはいわゆる携帯でのコミュニケーションとリアルな実際の対人関係において、相当な違和感を伴うのも多い。うつや精神不安定にはいかに心理的孤独を減らすのかが重要であります。

 

 さて、この鬱や不安症状は働き盛りの年代が多かったのでありますが、高齢者も多くなってきている。

高齢者も同様、孤独が抑うつをはじめ認知症の引き金になる可能性もある。働き盛りでは社内でのコミュニケーションが上手くいかない、或は、転勤による住み慣れた住居地を離れ住む場合などの理由から心理的孤独に陥りやすい。転勤の場合は特に女性が多く、これは夫は新たな仕事で一生懸命だが、妻はと云えば住み慣れないところでしかも近所付き合いもないことから生じると思われる。


 大切なのは孤独をどうすれば解決できるか。

ここで誤ってはいけないことは、孤独が進む前に、対人関係がわずらわしくなり「一人にしておいてくれ」と云う時期があること。そのくせ本当に放っておくと今度は見捨てられたように悲観が生まれる。しかし、誰でもそうだが一人の時間が長くなってくると、ろくなことを考えない。従って、常に何かをやっている生活を意識的に作ることが大切。


 昭和の時代は、土をいじって泥んこになって太陽を浴びていた。

たまに私も土をいじる時があるが、土の香りと云うのは何とも筆舌では言い難い温もり、懐かしさがある。平成の今はスマホを片手に自室に閉じこもっている子供も多い。成人も同様に、個人情報保護やネット社会によるリアルな対人関係が少なくなり、会社でも家庭でも居場所がなくなったとする人たちも多い。これらを理由にアルコールや薬物に走る人もいる。


 閉塞的な世の中だからこそ、太陽を浴びゆっくり命の洗濯をしたいものです。




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by mental-online99 | 2014-06-13 11:47 | うつ病 | Comments(0)

メンタルヘルスONLINE スタッフの徒然日記。不安障害・鬱、アルコール依存症などを語ります。


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