不安をもちながら前へ - 不安障害(神経症)

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 ↑  「岩もあり、木の根もあれど、さらさらと、たださらさらと、水の流るる」 
   昭和初期 倉内松堂老師 筆

 岩や木々、いろんな障害物が行く先を遮るけれども、川の水は さらさらと自然に流れていきます。様々な困難が幾度もありますが、水の流れは時に岩をも削る力をも発揮する。あるがままに、流れに抗わず、と解釈できます。




    さて、「枯れ木に影無し。」


  これは晩秋に吹いた風が、最後の葉や実まで吹き飛ばし、大木が裸になった情景。陽があたっても影さえ映らない。葉や実を不安に置き換えてみると、そこにはとらわれさえ残っていない、という意味にもとれます。

  枯れ木といっても、何もかも枯れ果てたという事ではありません。葉も実も何もない、一夜にして余計なものが全て吹き飛んでしまった心の状態とでも云いましょうか。わたくしも心気一転をもって不安障害(神経症)の解決をされた人を何人か見て参りました。まさに心機一転ではなく、心気一転であります。

 
  ここで不安障害の一つ、心臓神経症を例にある医師が云います。

    「神経症の本態は何か、これは不安、心配という精神的現象の肉体的表現が、心臓の動悸の変調であり、この動悸にみずから気付いて、これを生命危機の前兆として独断して慌てて、この変調そのものを恐れ、不安しているための、いわゆる取り乱した状態である。」、と。

不安障害(神経症)の人は完璧主義で、「~でなければならない」とパーフェクトを目指す。多くは、認められたい、家族守りたい、成功したいなどを強烈に持ち合わせているのであるが、『生の欲望<死の恐怖』といった図式になり生の欲望どころではなく、不安症状にとらわれるようになる。不安が肉体的に表現されるとき、動悸、脱力感、歩行困難、めまい感など様々な症状があらわれ、驚き恐怖することによって、さらに大きな不安と恐怖を呼び起こして独り不安と戦うことになる。


  これが我々の云う、「一波を以て一波を消さんと欲す。※」になります。
  ※一つの波(不安症状)をもって、一つの波を消そうとすれば、かえって多くのさざ波が生じてくる。このように、症状を消そうと努力すれば、次から次へと新たな症状が生じてきて収拾がつかなくなる。


  昭和初期、今は亡き恩師が云います。


    「神経症者がどんずまりに落ちて、何ものをも期待されなく、ただ生きていく、自然の流れに身を投じた生き方、どこに流れていくか、それすらわからぬところをぬけて、なにものか大自然に身をゆだねた態度に変化していく。 <中略> 常に取越し苦労し、将来を心配しながら、現在の一刻をつとめていくこと、それだけでよい。この点において、苦楽を超越しているのだ。」





不安障害(不安神経症), パニック障害・各種神経症の症状と心構え, メンタルヘルスONLINE


by mental-online99 | 2016-09-04 20:43 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)

メンタルヘルスONLINE スタッフの徒然日記。不安障害・鬱、アルコール依存症などを語ります。


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