神経症における「不問」

e0367279_19151255.jpg

  ↑ エキナセア。

 神経症の解決について最も重要な事は、「不問」であると、恩師鈴木知準博士はよく仰っていました。
つまり、神経症の人たちは、自分の不安症状がどうやったら取り除けるか?、と云う事を延々と聞いてこられる。はじめは丁寧に答えるのでありますが、あまりに何度も聞いてこられる場合はあえて答えないで、行動を通じて知らしめるような生活態度を重んじてこられた。

 りんごを食べたことのない人に、言葉をもってその味を知らしめる事はできない。
これと同様、大事なことは言葉で聞くより、実体験をもって答えを体得しなさい、と云う事になる。しかし、それでも「すぐにすぐに、、」と質問が絶えない。このすぐに不安を安心に変えようとする完全欲を、どうやって断ち切るかが課題にもなる。

 同様のことが、「禅僧」の修行の場でもあったようです。
禅の悟りとはどういうことなのか?と云った抽象的な質問に対して、高僧が「麻三斤」と答えたと云う逸話があるようです。これはどういう事かと云うと、質問に対して全然相手にしていない、とんちんかんな返事と云うことになります。不問は一見、不親切に聞こえるかもしれないが、「言葉」を必要としない空間も必要なのです。これはおそらく、武士道、茶道を重んじる日本人独特のモノなのかもしれない。

 
 一方、森田正馬博士が云います、
「心臓恐怖のときは不安でびくびくになっている心理的態度、その現在のまま、それに成り切った心理態度が平常心であり、『あるがまま』であり、しかしてこの『あるがまま』の心理状態はびくびく即悟り、言葉をかえると、びくびくを超えた心理的態度の転回になっている」、と。

 つまり、不安を安心に変えようと工作するのではなく、むしろその不安の状態、不安の現在に成り切ったところに、心の転回がある。風邪を引けば、風邪になりきるほかない、暑いなら、暑さのその現在に成り切る。このように、不安を操作することなく、むしろ不安と同居しながら生きる態度を知り分けることが大切です。


 明日も良い日でありますように。




不安障害(不安神経症), パニック障害・各種神経症の症状と心構え, メンタルヘルスONLINE
http://www.mental-online.co.jp/care.html



◆以下URLにて、皆さまのご感想・ご意見・ご要望などをお待ちしております。

http://ws.formzu.net/fgen/S84758081/
by mental-online99 | 2015-06-10 20:50 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)

メンタルヘルスONLINE スタッフの徒然日記。神経症 不安障害・鬱(抑うつ)などを語ります。


by Mental Health Online
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30