2015年 03月 21日
トイレの落書き

画像はイメージ。
仕事柄、よく行くベッド数200ほどの精神科病院。そして決まっていつも利用するトイレ。そこには、いろんな落書きがされていました。
「治らないよ・・・」、と書かれていれば、今度は、「お互い頑張って治そうぜ!」、など数百くらいはあるでしょうか、単なるトイレの落書きではあるのですが、お互いお顔の見えない独特の世界がありました。鉛筆で書かれた落書き、ボールペン、マジック・・と長年の歴史が感じられていました。あまりにも気持ちの入ったある長文の落書きには、顔の見えない類縁の友たちが、激励する言葉がずらりと並んでいました。
顔の知らない人たちが、お互いに励ましあって「ありがとう。」、、の言葉の落書き。
震えるような筆跡、大きな文字で、「ありがとう!」、弱々しくか細い「ありがとう」・・など、トイレならではの心の通った空間でした。しかし、先日訪れてみると、トイレ内がきれいに塗り替えられていました。
所詮トイレと云えばトイレなのですが、非常に残念でした。患者同士が心を通わせた歴史と云いましょうか、足跡がいとも簡単にきれいに塗り替えられた壁、ドア。
患者さんは、本当の意味で孤独。
心理的孤独です。誰にも言えない、親にも、配偶者にも、友達にも。そんな中、唯一、どこの誰だか知らないけれど心を通わせた類縁の友たち。
心の疾患があっての精神病院なのかもしれませんが、あの落書きには、病気などみじんも感じられないほど、優しくたくましい言葉が添えられていましたよ。
きょうはホントの日記。
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