あるがままに生きる

  関東地方の桜も、葉桜へと変わってまいりました。三寒四温、日中も夏日と思えば、夕方以降はグッと冷え込む季節です。体調管理には注意したいものです。

 さて、私の考えの基本には、日本で心理療法(森田療法)を創始された、慈恵医科大学病院初代精神科教授、森田正馬博士、及び恩師「鈴木知準博士」が流れています。

 心理療法とは逆に、これまで長年にわたり精神科救急にかかわる患者搬送にも従事してまいりました。この森田療法と云われる心理療法の場面と、精神科救急搬送の現場でみる光景と云うのはまったく異なった次元であります。その精神医療の現場を俯瞰してきた経験に基づき、私の考えを述べてみたいと思います。

 私はここに、「あるがままに生きる」と題しました。
これは、決して大げさではなく私は患者様(以下、当事者)と関わる中でいつも自問自答してきました。森田療法の言葉に有名な言葉があります。「自然に服従し、境遇に従順なれ」

 この言葉を私なりに解釈すると、「自然に抗わず(逆らわず)、あるがままに、自分らしく生きていくことが大切。つまり今の境遇を素直に受け入れ、いかに治すかではなく、いかに自分らしく人間らしく生きるか、なんのために生きるか」を問われる言葉でもあります。

 統合失調症、うつ病、不安障害(不安神経症)、アルコール依存症など様々な経過や症状があります。
 「治す」とはどういうことか・・

  私の経験則から申せば、多くの当事者が再燃を余儀なくされています。
一過性として寛解されたのは別として、治そうと頑張れば頑張るほど皮肉にも症状が顔を出すケースが多いように思う。
 

  現代の精神医療、病院の診察室では睡眠時間もとれない中、過酷に診られている先生方にはいつも敬意を表するところであります。ただ、2時間待ちの3分間治療といわれる現代、その多くが薬物治療。症状を訴えれば、それに応じた処方がなされる。一時は症状は治まるのだが、やがて症状はしつこくも発現してくる。お薬によってその本来もっている当事者の感情や動作、表情等が皮肉にも抑制される中、生きづらさを感じている人たちも多いのも事実。


  闘病生活の中では、鬱状態になったり、幻聴が活発になったり、不安症状がきつくなったりと、それは筆舌では語れないものです。人生の多くの時間をこの病気と共に生活をしなくてはならない現実。
だからこそ、この病気と共に生きていくこと、そしてその意味、更にはそこから発見される「真っ裸の自分」を学ばなければならないと私は感じるのであります。
 

  これは決してあきらめの道程ではありません。そこを通って見えてくる人生の景色は、当事者にとって私はとても有意義なものになると信じています。


  加えて、病気を受け入れると同時に、類縁の友を持つことも重要と考えます。

確かに治すことも大切。しかしそれよりも、当事者がこれからどう生きるか、症状があったときの自己対処、転んだあとどうやって起き上がるのか、なんのために生きるのか、このような場合友はどうするのか・・など。

  これらを私たちや当事者同士がじっくり話し合うこと、これこそが最も重要な部分と私は経験的に感じるのです。当事者の皆さまにとっては、これらをざっくばらんに話せる「類縁の友たち・時間」がもっとも貴重なおクスリなのかもしれません。
そこを通って生まれる発見こそ、自身の新たな人生感に至り得ていくと感じてなりません。

  「あるがままに生きる」

  自らの病気を否定せず、病気と共に生きていく。大切なのは医師でもなく、私たちでもない。
同じ境遇をもった、戦友であり、時間であると私は感じるのであります。
そこには、おくすりでは出せない、「安定」があるように思います。



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by mental-online99 | 2014-04-10 17:37 | 統合失調症 | Comments(0)

メンタルヘルスONLINE スタッフの徒然日記。不安障害・鬱、アルコール依存症などを語ります。


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