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 「 病気を診ずして病人を診よ 」

この言葉が広く使われていることはご周知の通りです。
今回も不安障害、神経症についてお話を少々。

昭和初期当時、 慈恵医大精神神経科初代教授, 森田博士は診察について次のように話されています。

   「自分は(森田博士)大学を出たばかりの若い時代には患者を診ても診断がよく的中した。時によっては、先生や先輩よりもよく的中することもあるので、自分も医師としてまんざらでもないぞ、とひそかに得意の時代もあった。しかし、年をとるに従って、昔のようにテキパキと診断がきまらず迷うことが多くなった。それは、病人を診て病気は確かにこれだと思っても、その病人の妻や主人、或は子供の嘆き、万一のことがあったら後はどうなるかを思うと、なかなか決断がつかない。病気は確かにこれだが、しかしこれに反対する学説もある。これを否定するこうしたデータもある等と考えて、若い時のように簡単に結論がいえなくなった。」

どの業種もそうですが、年を重ねる事に心配りが多方面に向くようになります。
自分が心を痛めた経験があるからこそ、慎重に用心深くもなる。
決断が鈍るというより、決断を下すことによってあらゆる方面に影響がでるのではないか、といった温かい慈しみの心でありましょう。

本来、このような局面では、バッサリ言われて凹み、後を引くことも多いですね。


神経質だからこそ可能な心配り。
慎重に慎重に、心を配りつつ物事を運ぼうとするその用心深さは決して無くしてはならない。
むしろこれらを誇りに思い、鋭敏な神経質を武器として生かし、日常生活、仕事に役立てていただきたいと願うばかりです。

当時、大学病院の医師は言行録の中に「神経を太くすること」と題して、なかなか面白いことが記されていますのでご紹介したい。

  『 私がかつてそうでしたが、神経質な人がよく陥る間違いはデリケートな感受性が、そのまま自分の弱さに通じるもののように早合点しやすいことです。私が森田博士の指導を受けていました時、「 針一本落ちていてもこれを感じ取れるような神経をもっていなければならない、神経質が足らない。 」と教えられた。』


森田博士は、「 神経質は天与の賜物であり、これを邪魔にしないでこれと仲良くなれ 」と諭されています。

ごちゃごちゃ考えては取り越し苦労をして不安になる。
だけども、それが自分。
かけがえのない自分自身なのであります。




※先日、読者の方から、「同じような症状をもった不安障害(神経症)・パニック障害の人たちと触れ合うことのできるコミュニティがあればうれしい。」と感想を戴きました。ありがとうございました。
皆さまからの貴重なご感想、体験談を含めメッセージをお待ちしております。



不安障害(不安神経症), パニック障害・各種神経症の症状と心構え, メンタルヘルスONLINE
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# by mental-online99 | 2018-09-23 23:38 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)
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「閑坐聴松風」(かんざしてしょうふうをきく) 倉内松堂老師 書

この言葉は一般的に、
こころ静かに座して耳をすませば、日頃は耳にしなかった自然の音や、眼にしなかったいろんなものが見えてくるのだ、という茶席でよく見る禅語。
角度を変えてみれば、次々と入ってくる情報をあえて取り入れないことも大切、と気付かせてくれる言葉でもあります。


さて、不安障害(パニックを含む)症状の解決で大切なひとつに、

不安症状の真っ只中のとき、主人公になるのではなく、いかに客観視できるのか、が挙げられると思います。これは、不安症状を発症して間もない人には何を言っているのかわからないかもしれません。


不安障害やパニック障害の人たちは、常に症状がアイドリング状態であり、それはもうギリギリのところで悪戦苦闘をされている。
心臓が躍るとか、呼吸困難感、倒れてしまうのではないか、精神が狂ってしまうのではないか、と心休まる暇もない人が多い。


又、皆それぞれが、自分なりの不安症状の「頂点」を体験をされています。
この不安症状の頂点をなんども体験していると、やがて自分に不安の経験則が身に付いてくる。

たとえば、不安が来る。
不安が襲ってくるのだけれども、

「不安(パニック)発作がやってきても、ぜいぜいあそこまでか。」という自分の経験則が力を発揮するようになる。

不安症状に襲われながら、不安の真っ最中であっても、「またこの不安か、この程度の不安は以前も経験した。」と客観視が可能になってくる。

ただ、このような心の態度は、悪戦苦闘をやり尽くし、どうにもならない所を通って客観視が展開されてくる。客観視が可能になると、自然と不安と戦わない、不安から逃げようとしなくなる。

不安から逃げようとしないところを通って、「不安があったことさえ意識にとどまらない」心の態度が期待されてくる。ここまでくると、不安が有った、無かったが問題とならなくなっていくのです。

不安症状にとらわれている人は、はじめは「不安は自分のあってはならないもの」と思っている。だから不安を消し去ろうとするところから始まる。
しかし、上述のような体験を通じて至り得た後は、不安を消し去ろうとする必要は無かった。不安そのものを持っているのが自分自身であることに気付くことになるのです。

この不安から逃げない段階までになると、むしろ不安は病気という型ではなく、自分にとって最も良いタイミングで不安が出てきており、役立つ不安に型も変化していることが多い。


ただ、この段階であっても、「なんとない漠然とした不安症状が有る」とうったえる人も少なくない。この多くは、不安症状の燃えかすのようなものが残っており、実際には不安は無い。
でもそこは、敏感で徹底的な性格。
かつての不安体験を思い出しては、不安を感じた錯覚に陥る副次的なものと考えます。


さて、昔の書物にも以下のような言葉がでてくる。(現代文で表記しています)

  「この雑念不安やおどろき、これがそのままの自分自身のあらわれである。それをみずからの意志で、やりくりするところに、生きる態度に誤りのあることをいっているのである。
雑念をとりのぞこうとし、おどろきのない人間になろうとする。このわれとわが心の流れに拮抗するところに、雑念として、おどろきとしての意識がのこる。現在をそのままに受け入れる態度のとき、それらは流れて意識にとどまらない。」


これらを消し去ろう、感じなくしようでは、不安は去らない。
不安や恐怖を感じやすいのが自分として、受け入れるこころがあってはじめて見えてくるものがある。

まさに今日の、閑坐聴松風(かんざしてしょうふうをきく)であります。



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# by mental-online99 | 2018-09-10 22:59 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)
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エキナセアの花



不安障害(不安神経症・不安症)の人たちの、
劣等感・迷い、そして努力について、お話を少々。



神経質傾向の不安障害の人たちは、生存欲と完全欲があいまって、
あれこれ迷ってごちゃごちゃと考える傾向があります。

ごちゃごちゃと考えることに対し、
「迷う自分がダメだ」と劣等感を持っている人も多い。
でも、ここで少し考えてみたい。


<不安障害の劣等感と迷い>

逆説的に考えれば、あーしよう、こーしようと迷うから、
心配り、目配りが出来て、その場に応じた動きも可能になる。

迷いがあるから、人に失礼な態度をしないよう心掛けができる。
これは不安症や神経症の人たちには失ってほしくない、素質であります。
いつも述べてる、欠点と思っていたのが長所です。

そして、

<不安障害・神経症 努力とは>

元来、不安障害の人たちは真面目で謙虚だから、
いろんな場面でマイナスに考えてしまう傾向があります。
だから、人よりも努力しなければという気持ちを持っている人も多い。

そこで考えたいのが、
劣等感に自分が責められ、引き込まれてしまって努力するのと、
「劣等感はあってもいい」と理解し、努力するのでは、
今後の景色がまるで異なってくる。

いつもいうように、不安障害の不安症状、パニックはその人の生存欲の現れです。
つまり、意志が極めて強く、向上心が旺盛の現れでもありましょう。

言葉を選ばず申せば、
意志が弱ければ、向上心どころか、冒頭の心配りもできなくなるかもしれない。

自分は弱い、意志も弱いと思っている人の心根は強いのです。
なぜなら、弱いと思っているのは、常に自分の完全欲から、
自分を観測している態度が備わっているからです。
これは、簡単なようでなかなか出来ないものです。
ここに気付けないのは、不安の陰に隠れていたから、
まさに、とらわれていたから。

さて、ここで劣等感や迷い、不安があってもいい、と何度も申しています。

ここで、われわれが不安が「あるから良い」ということと、
みなさんの不安は「あっては困る」との間には大きな溝なり温度差がある。

どうすれば、この大きく横たわった溝を飛び越えれるか。
ここも不安解決の要諦となるところ。


悪戦苦闘の末、ここがぴたりと分かったとき、
不安症状と名付けていた一切のものが破壊されて、
不安は不安なりの本来の役割を成して流動し初める。

同時に、不安の陰に隠れていた、あらゆるものが現れ初め、
ますます前進していくと考えます。


どうぞ良い週末をお過ごしください。




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# by mental-online99 | 2018-08-25 23:47 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)

メンタルヘルスONLINE スタッフの徒然日記。神経症 不安障害・鬱(抑うつ)などを語ります。


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