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 ↑ 一路、東へ。

 私たちが心の成長する瞬間は痛みを伴う。その痛みの形にも人それぞれであります。他方、神経症(不安障害)の人たちは強い生存欲を基盤として持ち、そのために何事にも不安に陥りやすいことはいつも申し上げている通りです。
 神経質傾向の不安障害(神経症)の人たちは、その発展欲が一般の人よりも強い為に不安情緒を持ちやすく不安障害の症状が発現しやすくなる。だからといって、不安障害が悪いと云っているわけではなく、むしろその逆であります。
 即ち、生存欲・発展欲(長生きしたい、認められたい、出世したい等)、又、守るべきものを守るといった責任感は神経質な人たちの純なる心であって、この生存欲と心根の優しさは大変貴重であって無くしてはならない。

 不安障害(神経症)。これには医学的にも様々な論議がある。あらためて述べておきたいのは、知的解釈のみで不安障害の解決は困難になる。つまり、不安障害という『とらわれ』で悪戦苦闘してきた人たちが、症状と呼んできたものを、異常としてとらえない心をどうやって発現させるかであります。これも知的解釈ではなく、体験的に身をもって、「不安はあって良い」と展開させるかであります。もちろん、ここに至るには知的から入らなければならないが、知的と体験の両面を深く知り分けなければならない。

 不安障害の人たちの多くは、その苦しさから自宅へ籠ってしまうことが間々ある。しかし、ここで不安障害の矛盾が生じる。安心を求めて自宅で休息しているが、不安症状は一向に収まらない、投薬治療で不安を制圧しようとしても歯が立たない人も多いのではないだろうか。
 これは、不安障害の人たちは自宅へ籠ればどうやっても自らの症状を探す行為になる。探していなくても内発的に、わずかな違和感・症状を探し当て、観察し不安へと導いてしまう。
 又、多くの人達が「やる気になったら、症状がなくなったら〇〇をしよう。」と心が整ってから行動しようとする。ここから始まって、ますます不安障害の「とらわれ」が頑固なものへと根付いてしまう。心が整ってから行動するのでなく、行動が心を強化させ、症状を忘れる癖へとどうやって導き、本来の欲望に前進する態度へと展開させるのかが重要になってくる。
 
 言葉をもって森田理論の、「あるがまま」や「生の欲望」に進んでいきなさいと不安障害の人たちに繰り返し説いても、とらわれた不安症状は突破できない。大切なことは、不安をそのままにして、症状の中で必要事に入って行く態度を何度も訓え、どうやればその人にとって不安に反対しなくなる心を発現させるかである。
 この繰り返しの中で、自己を知り分け、不安に反対しない心の発現が人間そのものを成長させてくれる。ここを通って不安症状を持つに至ったと云う、心のからくり、不安にとらわれ見失っていた自己本来の夢や希望、やるべきことが徐々に姿を現すと思う。

 最後に森田正馬先生は昭和初期、神経症の人にこのような言葉を残しています。

    「いやとかほがらかとか善し悪しとか苦楽とかいう言葉の符丁は、どれだけ正確さのあるものか。この苦楽の評価の拘泥を超越して、現実における吾々(われわれ)生命の躍動そのものに成り切って行くことができれば、それが大学卒業程度のものであろうか。」

 つまり、この心的態度に不安障害(神経症)のひとたちが行きつくと、いわゆる我々の云う神経症の解決(治癒)であろう。

 

 

メンタルヘルスONLINE
http://www.k4.dion.ne.jp/~care/pd-inf.html
by mental-online99 | 2016-06-12 18:44 | 不安障害・パニック障害 | Comments(0)
腸内の善玉菌が少ないとうつ病リスクが高いことを明らかに - ヤクルト 

 国立精神・神経医療研究センター神経研究所と功刀 浩部長(疾病研究第三部)とヤクルト本社を中心とする共同研究グループは、43人の大うつ病性障害患者と57名の健常者の腸内細菌について、善玉菌であるビフィズス菌と乳酸桿菌の菌数を比較したところ、うつ病患者群は健常者群と比較して、ビフィズス菌の菌数が有意に低いこと、さらにビフィズス菌・乳酸桿菌ともに一定の菌数以下である人が有意に多いことを世界で初めて明らかにしました。この結果から、善玉菌が少ないとうつ病リスクが高まることが示唆されました。
 本研究成果は、オランダ時間2016年5月24日に科学雑誌Journal of Affective Disordersのオンライン速報版で公開されました。


1.研究の背景
 現在、うつ病患者数(治療を受けている人数)は70万人と推定されています。また、治療を受けていない罹患者はその3~4倍存在するとされ、うつ病は国民の健康をおびやかす重大な病気の1つです。
 うつ病の原因として、これまでに神経伝達物質の異常、ストレス反応における内分泌学的異常、慢性炎症などの生物学的な要因が提唱されてきましたが、いまだに不明な部分が多いのが現状です。 ヒトの腸内には100兆個、重さにして約1~1.5kg、1000種類以上もの腸内細菌が生息し、食物からの栄養素の吸収、ビタミンやタンパク質の合成、体外からの新たな病原菌の侵入の防止など、多岐にわたる重要な機能を担っています。近年、腸内細菌は脳の機能にも影響を与えること(腸—脳相関)を示唆する研究結果が次々に報告されており、うつ病の発症要因として注目されるようになってきました。
 うつ病の動物モデルを用いた検討では、うつ病様の行動異常やストレス反応において腸内細菌の関与を示唆する報告が増え、ビフィズス菌や乳酸菌といったいわゆる善玉菌はストレス反応を和らげる可能性が示唆されています。また、健常者でのストレス症状に対するプロバイオティクス(生きた善玉菌を含む食品)の効果も報告され始めました。
 しかし、これまでうつ病患者を対象として腸内細菌の構成や菌数を健常者と比較した研究は殆どなく、ヒトうつ病患者の腸内細菌において、善玉菌が多いか少ないかなどについての具体的なエビデンスが求められていました。
 

2.主な研究結果
 本研究では、43人の大うつ病性障害患者(米国精神医学会の診断基準DSM-IVによる)と57名の健常者を対象としました。結果は以下のとおりです。

(1) ビフィズス菌および乳酸桿菌の菌数とうつ病リスク
 被験者の便を採取して、ビフィズス菌と乳酸桿菌(ラクトバチルス)の菌量を16S rRNA遺伝子の逆転写定量的PCR法によって測定し比較しました。菌数の測定はそれぞれの検体が患者のものか健常者のものかについて測定者に知らされない状態で行われました。その結果、ビフィズス菌及びラクトバチルスの菌数のそれぞれの単純な比較では、大うつ病群は健常者群と比較してビフィズス菌が有意に低下しており(P = 0.012)、ラクトバチルスの総菌数も低下傾向を認めました(P = 0.067)。

 ROC解析(Receiver Operating Characteristic curve、受信者動作特性曲線)によって、大うつ病群と健常者群とを区別する最適の菌数(カットオフ値)を求めました。その結果、ビフィズス菌がカットオフ値(便1gあたり109.53個)以下の菌数だったのは大うつ病群で49% (21/43人)であったのに対し、健常者群では23% (13/57人)でオッズ比3.23 (95% 信頼区間 1.38–7.54, P = 0.010)でした(図1)。

 すなわち、1g当たりの便におけるビフィズス菌の数が109.53個以下であると大うつ病性障害を発症するリスクがおよそ3倍になることが示唆されました。ラクトバチルスでは、カットオフ値(便1gあたり106.49個)以下の菌数であったのは大うつ病群で65% (28人/43)、健常者群では42% (24/57人)であり、オッズ比2.57 (95% 信頼区間1.14–5.78, P = 0.027)という結果を得ました。従って、ラクトバチルスの数が便1gあたり106.49個以下であると大うつ病性障害を発症するリスクがおよそ2.5倍になることが示唆されました(図2)。

図1 大うつ病性障害患者と健常者のビフィズス菌の比較
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図2 大うつ病性障害患者と健常者の乳酸桿菌の比較
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 以上から、ビフィズス菌や乳酸桿菌の両者とも菌数がかなり低いとうつ病リスクが高くなることが示唆されました。
 
(2) 過敏性腸症候群とビフィズス菌と乳酸桿菌の菌数
 被験者のうち、過敏性腸症候群※を合併している人の割合は、大うつ病群では健常群に比較して有意に多いことがわかりました。すなわち、健常者群では12%であったのに対し、大うつ病群では33%でした(オッズ比3.45、95% 信頼区間 1.27–9.29, P = 0.014)。さらにビフィズス菌やラクトバチルスの数が上記のカットオフ値より低い人は、過敏性腸症候群症状をもつリスクが高いことが明らかになりました(ビフィズス菌:オッズ比2.68、95%信頼区間 1.00–7.17;ラクトバチルス:オッズ比2.84、95%信頼区間 1.02–7.82)。以上から、過敏性腸症候群は、ビフィズス菌やラクトバチルスが少ないことと関連することが示唆され、これまでの報告を支持する結果となりました。
※過敏性腸症候群:はっきりとした原因がないのに下痢や便秘などの便通異常をともなう腹痛や腹部不快感が慢性的にくり返され、不安やストレスを感じると症状が強くなる疾患で、腸内細菌が関与している可能性が指摘されている。

(3) 乳酸菌飲料・ヨーグルトの摂取頻度と腸内細菌の関係
 腸内細菌の構成には日常の食生活が深く関係しています。ビフィズス菌や乳酸菌を多く含む乳酸菌飲料、ヨーグルトなどの摂取頻度と腸内細菌の関係を調べたところ、大うつ病性障害患者の中で週に1回未満の摂取の人は週1回以上摂取習慣がある人と比較して腸内のビフィズス菌の菌数が有意に低いことがわかりました(図3)。

図3 大うつ病性障害患者のヨーグルトや乳酸菌飲料の摂取頻度と腸内のビフィズス菌の比較
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 腸内の善玉菌が少ないとうつ病リスクが高いことを明らかに
by mental-online99 | 2016-06-10 12:05 | うつ病 | Comments(0)

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